朝から一日練習。
とんでもなく眠たい体にムチ打ち頑張って起き上がる。
この時期はとても寒い。
手が冷たくて死にかけながらも体育館の準備をする。
手がかじかんで上手く文字も書けないし、
この季節はあまり好きじゃない。夏よりは好きだけど。
みんながぞろぞろ集まり、練習の支度をする。
私はベンチで凍えながらそれを見ている。
“着て?”という圧に根負けしながらも、
寒いは寒いのでありがたく受け取った。
私にはぶかぶかの藍の上着を着ると、
藍は口元を手で覆いつつ私をガン見していた。
上着二枚重ねするとちょっと動きずらい。
マネージャー業に支障が出るようなら脱ぐか…
数分後
藍と祐希を見て駆けつけたみんなのせいで、
私は十枚ほどの重ね着となっていた。
寒がっている私を助けようという善意半分、
面白がっている半分。
祐希の合図で集合し、練習が始まる。
私は練習の記録が書きたいのに分厚いジャージのせいで
上手く体を動かせないため、容赦なく半分ほど脱いだ。
遠くから笑われている声が聞こえるが気にしない。
しばらくして再び寒くなると、
脱いだ半分はひざ掛けとして使われ、
余すことなく全員分のジャージを使って
暖を取るあなたであった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。