その溜め息は
___伊波から出たものだった。
そう溢して私に向き直る。
こんな間近で向かい合ったのは久しぶり
なので、少し緊張する。
だが、居心地が悪そうにしているのは
私だけではなかった。
伊波も気まずそうに頬を掻いていて、
何か言いたげな顔をしている。
そして何度か口を開いては閉じ、声を出した。
そこでまた口を閉じた。
ここまで来て何を渋っているのか。
私に通じる言い訳を考えているんだろうけど。
___何を言っているのか。
今まで散々な態度を取っておいて
嫌いじゃない?好き?
吐くにしてももう少しマシな、
思わず信じてしまうような嘘を
吐いてほしかった。
心の底からそう思った。
今更そんな嘘が通じると思っているのか。
そう言って彼は後ろに立っている3人を振り返った。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!