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第7話

307
2023/12/24 07:44
You side










しばらくギュってした後













ヨシくんは満足そうに笑って私の頭を優しく撫でた













今夜はおうちで過ごす予定だったから、
お互い何も言わずにそのまま
デパートの出口へと足を運ぶ













芳典
芳典
ねぇ、あなた
(なまえ)
あなた
ん??
芳典
芳典
あの…
芳典
芳典
さっき見てたのって...
(なまえ)
あなた
あ…うん、
(なまえ)
あなた
...元彼







ここで変にごますのも良くない気がして
正直に伝えることにした







芳典
芳典
ツ...そっか、ㅎㅎ









ヨシくんは口角だけをあげてハハッと力なく笑うと













視線を足元に落とした















あぁ、私ほんとに最低だ














彼氏といるのに元彼見てたって…















"友達見つけただけ"とでも
言うべきだったのかもしれない












(なまえ)
あなた
...ごめんなさい
芳典
芳典
...なにが??
(なまえ)
あなた
いや、その...







ヨシくんだって気になることはあるはず













だけど そっか の一言だけで
そのあと深く聞いてくる事はなかった











(なまえ)
あなた
...なんにも聞かないの、??








正直"何も聞かない"というより"何も聞きたくない"
って言うのがヨシくんの気持ちだと思う













口に出した瞬間、自ら地雷を踏んでるようで
自分でも自分が発した一言に後悔した













そんな長い沈黙の中、先に口を開いたのは
ヨシくんだった











芳典
芳典
…じゃあ1つだけ聞いてええ?
(なまえ)
あなた
うん
芳典
芳典
あなたはまだその人に未練残ってる??
(なまえ)
あなた
ううん、未練はないよ。
(なまえ)
あなた
...でもたまにふと考えちゃう時がある
(なまえ)
あなた
あ、いや、その 好きとかじゃなくて!!
芳典
芳典
そっか笑
(なまえ)
あなた
ごめん、なさい...
芳典
芳典
謝らんでええよ笑
芳典
芳典
今は俺の事好きなんやろ?
(なまえ)
あなた
当たり前だよ!!
私にはヨシくんだけ!!
芳典
芳典
ㅎㅎならそれで十分







そう言うとヨシくんは一気に表情が明るくなった













芳典
芳典
じゃあ、その人はあなたの初恋の人なんやね
(なまえ)
あなた
初恋??







真史帆は元彼ではあるけど、初恋ではない













その前にだってお付き合いしてた人はいたし













好きな人だって...













芳典
芳典
うん、初恋。
芳典
芳典
初恋は初めて恋をした人やなくて
初めて心から愛した人らしいで
芳典
芳典
その人の事を忘れてても、
何故かふと思い出したりするのが初恋

芳典
芳典
前にあなた言っとたやん
前の彼氏とは彼氏の夢のために別れたって
芳典
芳典
今でもふと考えちゃうくらい
その人の事 本気で愛してたってことやろ?

芳典
芳典
...あなたの元彼さんが羨ましいや笑
芳典
芳典
少し嫉妬した笑












"あなたの初恋はもう変えれへんけど
俺があなたの最後の恋やったらええのに"













...なんてな笑













そう言ってヨシくんはまた切なく笑った











(なまえ)
あなた
ヨシくん
芳典
芳典
ん?
(なまえ)
あなた
私 ヨシくんが好きだよ
芳典
芳典
うん
(なまえ)
あなた
今の私にはヨシくんだけだよ
芳典
芳典
うんㅎㅎ
(なまえ)
あなた
きっと不安にさせちゃったよね
芳典
芳典
...うん
(なまえ)
あなた
ごめんなさい、でもほんとに私には
ヨシくんしかいないから...信じて欲しい
芳典
芳典
そんなん分かってるから大丈夫やって笑
芳典
芳典
初恋は別に悪いことやないし、
無理に全部忘れろなんて言わへんから笑









ヨシくんはどこまで優しい人なんだろう













でもヨシくんのおかげで少し気持ちが
軽くなった気がした














結局、そのあと少し気まずさは残ったものの












準備をしたサプライズは大成功で
さっきの事は無かったかのように
楽しくて熱いクリスマスを送った











そしてヨシくんサンタには綺麗なリングも
貰っちゃって…///













未だに真史帆が頭によぎることがあるけど
それは私の甘酸っぱい初恋の記憶で
大切な思い出として閉じ込めて置くことにした













数年後、真史帆から"夢叶えたよ"って連絡が来て














それと同時に私からも"新しい家族が増えたよ"って
真史帆に報告することになるのはまた別のお話














-end-

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