ガチャッ
ふにゃっと笑った僕の弟は、すぐ僕の横に座りこちらを見つめてきた。
夢…夢………
知らない彼奴と……キ………
知らない彼奴とキスした。
………なんて言えるか!!!!!あ゛ぁ!?!?
(逆ギレしないでもろて、、、)
ん?
待て?もしこれほんまやったら…今までみたいに現実になってしまったら…
今日僕は……其奴と…
父と母は仕事の都合上こういう行事系は何も行けない。そのため今回も僕がないちゃんの入学式を動画や写真に収める。
そして今朝奇跡的に忘れ物に気づき、入学式の後は校舎に侵入することにした。
新入生の入場が始まった。うちの弟は桃髪なのでよく目立つんはずやけど、今年の入学生は派手髪の子が多くあまり目立たなかった。
まぁけど高身長だし分かるわな。
ないちゃんことうちの弟はすぐこちらに気づき、イケメンスマイルでこっそり手を振ってきた。
なんてイケメンなんだこいつは。
そのまま僕は入学式を見届け、忘れた筆箱を取りに校舎に入った。
よし、侵入成功。
…夢は嘘だと認めることになってしまうが、彼奴とキスするよりかはいい。
そのまま教室を出たその時だった。
あぁっ僕のバカ!!!!!!!世話焼き!!!!
…また新しいおもちゃかな…
この子も僕のことを可愛いって、好きって言い始めるんかな
みんなみたいにお世辞で
それはやっぱり嫌やけど、捨てられるよりかはいい
僕いい子、だから、捨てんといてや、
…今年はこの子にも好かれるように、頑張らないといけない
いつか心の底から好きって思える人が現れることを願うんや。
…なーんて。重いよな。
…うーん、今まで見てきた中では可愛ええ方やな。
でもこの子もきっと僕のことなんか分かってくれやしない。夢を見るのはやめにしよう。
いままでとなーんも変わらへん。
こうして僕らは何故かまた上の階に戻り教室へ筆箱を取りに行った。
放課後の教室に2人きり。
なんかこんな事になるのも珍しく、ひたすらエモい感じ。
( がたっ
次の瞬間、僕は夢の記憶を鮮明に思い出した。
何故か見た事のある赤髪、新入生のお花、式服、んで綺麗な目。
僕……此奴と………
直後…誰もいないはずのこの教室に、リップ音だけが響いた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!