教祖様の家族になってから 2 年が過ぎた __
それなりに家族に馴染めただろうし
お互いの事も何となく分かるようになってきた
まだまだ触れられない所もあるけど …
そこも含めて分かってきた
記憶操術だって少しずつ使えるようになって 、
この 2 年間で大きく成長出来たと思う
『 … そろそろ頃合だね 』
教祖様は不意にそう言い家族を集めた
最近は全員の都合がなかなか合わず顔を合わせていなかった
宗教活動の方もかなり大規模になり教祖様は毎日毎日大変そうだ
信者の猿の数も増え呪いと金も比例して増す
… その分厄介な信者も居るが 、
でも教祖様は何か目的があるのだろう
私は何であろうと教祖様に協力したい 、
救ってもらった恩を返さなければ
会議室の扉を開けると既に数人の家族が居た
「 美々子 、菜々子 」
半年ぶりかに会った 2 人は少し成長していた
私より 1 つ歳下の 2 人
歳下とは思えない程しっかり者で 、
教祖さまをこよなく愛している
「 ぁ … あなた 、久し振り 」
そう言って会釈したのは美々子だ
菜々子の方はスマホに夢中らしい
美々子と少し会話をして私も適当な位置に座る
数分程して会議室の思い扉が開いた
少し疲れた顔をした教祖様と菅田さん
菅田さんの手にはカメラがあった
「 その一眼レフまだあったんですね 」
『 また写真を撮ろうと思ってね 』
そう言って教祖様は何事もないように微笑む
教祖様が疲れていた原因は厄介な信者か 、、
金を集めるのが仕事なんだから …
金が無くなったら終わりも同然
… 相変わらず猿は無能な様だ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。