ぼくにはにいにがいた。
やさしいにいに。大すき。
でも、パパとママ、きらい。
いつもぼくとにいにのこと、たたくの。
いつもにいにがまもってくれるの。
「ねぇ、にいに。」
「どうした?」
にいにがぼくにわらってくれる。
にいに、大すき。
「パパとママは、なんでぼくたちをたたくの?」
にいにが悲しそうなかおをする。
「ごめんな、。」
「にいに?」
あったかい。でも、にいに、なんでないてるの?
「お前は兄ちゃんが守ってやるからな。」
にいにがないてる。なかないで、にいに。
「ちょっと。何してるの?」
ママがきた。
こないで。ぼくのにいにのところにこないで。
うるさいこえではなさないで。
「お前らは選ばれた生物なんだ。威厳を持て。」
パパもきた。むずかしいこといわないでよ。
「セウ。リートを甘やかすな。」
「嫌だ。リートは俺が守る。俺の妹だ。」
パパもママも、にいにもおこっている。
ぼくはにいににだきつく。
「にいに、」
「大丈夫。兄ちゃんがいるぞ。」
パパの手があかるくなる。ママのちかくにもゆきがふっている。
にいにが手をつよくにぎった。
「セウ。最後の忠告だ。リートを甘やかすな。さもなくば、追い出すぞ。」
「やれるもんならやってみろ!リートは俺が連れていく」
「あぁ、私たちの家になんでこんな子が生まれたのでしょう。まさに失敗作だわ。」
くらいせかいがあかるくなった。
いつのまにか、にいにのあたたかさはなくなっていた。
「にいに?」
どこにいったの?
「リート。今日からお前がこの世界の後継者だ。」
にいにがいなくなってすぐに、パパとママによばれた。どれだけまってもにいにはぼくのところにはこなかった
「にいには?」
「リート。子供みたいな言葉づかいをやめなさい。」
「常に気高くありなさい。この世界を統べる者として、相応しいようにするのよ。」
その日から、私は綺麗な言葉遣いを教えられた。
お兄さまを探したけどこの場所には居ない、と言うことだけがわかった。
お兄さまが居なくなってから悠久のときを過ごして、世界もいよいよ色を失った。
私に見えている世界は冷たく、無機質でしかない。
「リート。明日、戦争が始まるわよ。」
そんなとき、お母さまとお父さまに【戦争】が始まると言われた。
こんなことは今まで初めてで、ここから出られると少しだけ喜んでしまった。
でも、現実はずっと厳しいもの。
「お前はここでこの世界の監視をしなさい。」
何もできない。と気がついてしまった。
でも、私は見つけてしまった。
お兄さま、私がずっと、ずっと探し続けていた人を。
だから、私は抜け出して、お兄さまに会いに行った。
道のりはすごく過酷で、「死ぬかも」なんて、感じることもあって。
でも、私はそう簡単には死ねないから冷たい世界を超えて、お兄さまのもとに、また来たの。
だから、お兄さま。いや、にいに。
またぼくとあそぼうね。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!