産屋敷邸の庭には7人の柱が集まっていた。
岩柱・悲鳴嶼行冥。
音柱・宇髄天元。
水柱・冨岡義勇。
風柱・不死川実弥。
蟲柱・胡蝶しのぶ。
炎柱・煉獄杏寿郎。
そして新任の蛇柱・伊黒小芭内。
各々が誰かと話したり、1人立っていたりという感じでお館様が来るのを待っていた。
そこに、1人の少女が入ってきた。
あなただった。
他の柱たちは、新しい柱が2人いるとは聞かされていたので、大して驚いていなかった。
驚かなかった、はず。
いや、驚いている人が3名ほどいた。
悲鳴嶼行冥、不死川実弥、胡蝶しのぶ。
そう。雨宮あなたは…
かつての花柱・胡蝶カナエに、非常にそっくりだったから。
腰あたりまであると思われる豊かで艶のある黒髪。
透き通るような目や肌。
華奢な身体付き。
あまりに優しい微笑み方。
幼さは残っているが、どこか「大人の女性」を彷彿させるような佇まい。
あまりにも似ている。
ただ、実弥としのぶが呆然としている間に宇髄と煉獄が先にあなたに声をかけていた。
宇髄の言葉にあなたは嬉しくなり、「それじゃあ宇髄さん、これからは柱としてよろしくお願いします。」と挨拶した。
煉獄がはっはっはっ!と笑うのであなたはつられてふふっと笑った。
少し笑いながら、「煉獄さん、未熟者ではありますが、よろしくお願いします。」と続けて挨拶を終えた。
宇髄と煉獄への挨拶が終わったのであなたはまだ挨拶していない柱の方は迷いなく歩み寄って行った。
あなたは深々と頭を下げた後、優しく微笑んだ。
反応したのは、悲鳴嶼としのぶだった。
しのぶの説明にあなたは目をぱちくりさせた。
個人的には、そうは思えなかったからだ。
なぜなら_______
あなたには視えていた。
皆んなの背後にいる"人ならざる者"を。
嘘偽りなく。あなたは本当に思っていることをそのまま言っただけ。
それなのに_______あなたが本当に思っている言葉が刺さっている人が、いた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。