第2話

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2021/03/15 10:25
次の日、俺はハルの家に行った。
昨日は俺の家だったから隠し撮りされてるって思ったのかもしれない。ハルの家で告白すれば、これがドッキリでもなんでもないことをわかってもらえるだろう。
そう思って、ハルの家で、もう一度好きだと言った。
晴人
晴人
嘘だよ、俺が本気にしたらバカにするつもりなんでしょ
達也
達也
そんなわけねえだろ、なんでそんなこと言うんだよ
晴人
晴人
達也くんが俺を好きになる理由がない
達也
達也
理由なんて…気づいたら好きだったんだよ
晴人
晴人
俺なんか好きになるわけない
達也
達也
ハル、ほんとにドッキリじゃないから、本気だから
晴人
晴人
ありえない
ハルは一歩も引かなかった。こいつばかりドッキリにかけたことを少し後悔した。
達也
達也
どうしたら信じてくれる?
晴人
晴人
どうしたって信じないよ
達也
達也
俺は信じてほしい
晴人
晴人
やだよ、無理だよ
ハルは俺を家から追い出した。
やっぱり今のハルはおかしい。あいつは人から受け取る好意が好きだったと思う。褒められたり可愛がられたりしたら喜んだ。
男同士なのに性的な意味で好きなんて言ったのが気持ち悪いんだろうか。でもあいつは、それならそうとはっきり言うと思う。少なくとも好意は受け取ってくれるはずだ。今のあいつは俺の好意をまるで信じない。俺の知ってるハルはそんな奴じゃない。
達也
達也
何か悩みとかあるの?
LINEで聞いてみた。そうとしか思えなかった。素直に人の好意を受け取れない理由があるはずだった。
晴人
晴人
なにもないよ、ありがとね
返事はそれだけだった。

俺はスマホ画面を眺めながらしばらくぼーっと考えた。
達也
達也
(ハルは、告白を信じてなかった…せめて信じてほしい。いや、そうじゃなくたって、何か悩みがあるなら言ってくれれば…)
考えて、結局明日も告白することにした。
好きって言い続ければ、俺の気持ちを信じてくれるかもしれない。それで受け入れられないならそれでいい。でも信じてもらえさえすれば、悩みは話してくれるかもしれない。

それにしても、ほんとにどうしたんだろ。

ハルの言葉を一つずつ思い返しながら家に帰った。

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