第37話

失敗の塊
2,629
2024/02/02 01:16
僕は小さい頃から不器用だった。
何も無いところでコケたり、買うものが違ったり…
子供の頃はそんなに気にしていなかったけど、大人になるにつれて失敗が多くなった。
書類の書き間違い、大事な書類にお茶を零したこと。
他の先生達は呆れて話しかけても無視されていた。
そんな時、芥川先生からあの子達の担当先生をして欲しいと尋ねてきた。
これがあの子達の出会いだった。
担当先生なんだからしっかりしないと。
そう思っていたら山の書類を落としてしまった。
太宰治
太宰治
…手伝う。
中島敦
中島敦
あ、ごめんね。ありがとう。
中島敦
中島敦
僕、先生の中でも下っ端だから書類が多いんだよね…
太宰治
太宰治
…いいんじゃない?下っ端でも。
この言葉が僕の心を動かした。
太宰治
太宰治
僕だって、病気いっぱい持ってるし…人それぞれだから…
中島敦
中島敦
うん、そうだね。治くんは優しいね。
太宰治
太宰治
そうかな…
中島敦
中島敦
君達は本当にいい子。だから、辛い時があったらすぐに僕に言ってね。
太宰治
太宰治
敦先生もね。
中島敦
中島敦
うん、約束。

プリ小説オーディオドラマ