第25話

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2026/02/14 01:11 更新








  稽古が終わったころには、
  空はすっかり雨雲に包まれていた。

  道場の戸を開けた瞬間、激しい雨音が耳を打つ。


  私は傘をさして帰ろうとする



  が、剣持先輩は立ち止まったままだった。




あなた
  先輩、傘ないんですか?  
knmc
knmc
  … 忘れちゃって  


  傘は一本だけ。
  しかも置き傘。当たり前に小さい。

  私は先輩に傘を差し出した。

あなた
  使ってください!  


  差し出したが、
  あっさり押し戻されてしまった。

knmc
knmc
  貴方が使ってください  
あなた
  先輩の方が
  遠いじゃないですか  
knmc
knmc
  駅までは一緒でしょ  



  ……………。















あなた
  … 狭くてすみません  
knmc
knmc
  いや、全然。  


  気づけば距離が縮まっていた。
  所謂相合傘だ。

  肩が触れる。
  濡れた制服の匂いが混ざる。
  小さな傘では防ぎきれず、
  横殴りの雨がじわじわと染み込んでくる。

  駅までの道は思ったより長い。
  無言の時間が続く。



  ふと、足元が滑った。

  次の瞬間、腕を掴まれる。

あなた
  あっ  
knmc
knmc
  危な、っ  


  先輩の焦ったような声が、雨音に溶ける。
 
あなた
  ありがとうございます、  
knmc
knmc
  気を付けてくださいよ  


  そのまま離れない手を不思議に思い、
  私は先輩に問いかけた。

あなた
  … 離さないんですか?  
knmc
knmc
  転ばれると困るんで  


  淡々としているのに、
  握る力は少しだけ強い。









  結局、駅に着く頃には
  二人ともびしょ濡れになっていた。

knmc
knmc
  ちゃんと温まってくださいね  


  別れ際、そんなことを言われる。

あなた
  先輩もですよ!  


  小さく頷いて、彼は改札の向こうへ消えた。













  
あなた
  ん゙ん゙っ、喉痛いな …  


  その夜、喉が痛み始めた。
  そして翌朝、熱で起き上がれなくなる。

  もしかしなくとも、
  あの雨のせいだと思う。

  でも、後悔は少しもなかった。













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