鬼の首が落ちた直後、静寂が訪れた。
空にはかすかに朝の気配が漂い、藤襲山の闇がわずかに退き始めていた。
ヒカルはその光を見上げ、ゆっくりと目を閉じる。
その声に、錆兎が小さく笑う。
真菰も頷き、手の甲で目をこする。
その時、遠くで別の戦いを終えた剣士たちが姿を現した。
中には、肩を怪我した者、仲間を喪った者もいた。
だが、それぞれが確かな”生”を抱えて戻ってきた。
やがて、双子の案内役が姿を現し、最終選別の終了を告げた。
名前が呼ばれていく中、ヒカルの胸が高鳴った。
前に出た彼女に、1本の刀が差し出される。
鍔は星型、刀身はまだ黒いままだ。
それを受け取った瞬間、彼女の中に、確かな重みが宿った。
炭治郎の姿もあった。彼も無事に生還し、どこか嬉しそうに頷いていた。
錆兎と真菰は、式には加わらなかった。
けれど、その背中を少し遠くから、誇らしげに見守っていた。
夜が明ける。
光が差す。
その光の中、ヒカルの物語は、さらに深く進み始めたーー。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。