第3話

 1 - 一途な執着
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2026/01/31 12:29 更新



 
 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
いらっしゃいませ〜、って…
 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
あら、みんな集まっているのね。どうかしたの?


カフェのドアを開けると、驚いた様子のカフェのオーナー・手毬さんが見えた。

今まで仕事中にカフェに入ることはなかったけど、会議をするのならここが最適だと思う。


 白夢 桜華 
 白夢 桜華 
みんなで今後の方針の話し合いしたくて…!
 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
ふふ、そういうことね
 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
アナタ達、こんな時間だけど朝ごはんは食べたの?
 白夢 桜華 
 白夢 桜華 
いえ、朝早くからの集合だったのでまだです!
 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
…だからこんなに眠そうな人たちがいるのね


朝に弱い人たちはなかなか起きず、半強制的に引き摺り出されてたけど。


呆れつつもどこか笑っているように見えるのは、きっとこれが私たちの日常であるから。


大切な人と笑い合える日々が詰まったこの世界が朽ち果てるなんて、耐えられるわけがない。


 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
はい。朝早くで疲れたでしょう?
 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
これは私からの奢りよ。みんなには内緒ね?


口に人差し指を当て「内緒ね」と言う手毬さんは、やはりどこか大人っぽい。

相変わらず手毬さんの用意する軽食はどれも美味しそうで、見ただけでお腹が空いてしまう。

 四月一日 柚琉 
 四月一日 柚琉 
太っ腹!ついでにお酒も…
 神楽 手毬 
 神楽 手毬 
だーめ。これから話し合いをするんでしょう?
 天ヶ瀬 希帆 
 天ヶ瀬 希帆 
酔っ払った状態じゃ話し合えないよ…?
 四月一日 柚琉 
 四月一日 柚琉 
それもそうか〜、ならその話し合い、さっさと終わらせちゃおう!
 四月一日 柚琉 
 四月一日 柚琉 
面倒だけど。


面倒くさがり屋な柚琉さんだが、話し合いの際はみんなをきちんとまとめてくれる。大人の余裕だろうか。


僕達は ″ 世界の破壊を止める ″ という共通の目的があるからか、性格は違えど意思疎通する場面は多々あった。


 天城 一楓 
 天城 一楓 
はぁ、世界の指揮官を絞らないと話にならないのに…
 黒瀬 蒼埜 
 黒瀬 蒼埜 
こんなに大人数で探してるのに見つからないって、一体何者なのでしょうか…
 亜月 叶蓮 
 亜月 叶蓮 
ホントだよ!よっぽど隠れるのが上手いのか、もはや存在しないのか。



古より世界の指揮官の話は語り継がれていた。

世界の味方にも敵にもつかない存在であり、どちらに感情を傾けることはないという。


前までは世界の指揮官ディクタートルと呼ばれていたが、最近になって世界の指揮官エルピスと呼ばれるようになった。



誰かがそう呼んでいたから自然とみんなもそう呼ぶようになっただけで、実際、由来や呼び名が変わった理由さえも知らないのだ。


ただ一つ言えるのは、前までの指揮官とは違い今の指揮官は優しさを持ち合わせているらしい。だからこの世界も前よりかは平和に保たれているのだろうか。




 黒瀬 蒼埜 
 黒瀬 蒼埜 
存在しないという可能性もある者にあまり執着しない方が良いと
 黒瀬 蒼埜 
 黒瀬 蒼埜 
まず作戦を立てましょう、話はそれからです
 宵坂 遥灯 
 宵坂 遥灯 
埒が開かないしな…いっそ別行動もありかも
 宵坂 遥灯 
 宵坂 遥灯 
もういっそのこと、破壊者デストリーの陣地に乗り込む?
 百合咲 朱那 
 百合咲 朱那 
流石に危険すぎるよ、却下



破壊者デストリーは、その名の通り世界を破壊する者。

目的は不明だが、僕たちの敵なことには変わりなかった。


 白夢 桜華 
 白夢 桜華 
わ、私も危険だと思います。
 白夢 桜華 
 白夢 桜華 
それに、私はまだ皆さんと一緒に行動したいな…とか
 宵坂 遥灯 
 宵坂 遥灯 
冗談だって!
 宵坂 遥灯 
 宵坂 遥灯 
…まじで洒落にならないかもだけどな
 杠葉 らな 
 杠葉 らな 
そんな怖いこと言わないでよ。まだ時間はあるんだから大丈夫

敵陣地に乗り込んだところで、敵は何人いるかも不明だ。流石に危険すぎる。

未知なる世界に飛び込むことが恐れ多いことは、皆分かっていた。
 亜月 叶蓮 
 亜月 叶蓮 
調停者ミディエーターの陣営の人達のことも考えないとね
 亜月 叶蓮 
 亜月 叶蓮 
あの人達を味方につけることができれば、こちら側…守護者ゲニウスが圧倒的に優勢になるのに


調停者ミディエーターは中立的立ち位置にいる人物の集まりだ。

世界の指揮官も大きく分けるとこのグループに属する。

僕たちは守護者ゲニウスで世界の破壊を止めるべく動く集団。いつもこうして集まっては作戦会議を繰り広げている。
 天城 一楓 
 天城 一楓 
難しいところだね…
 天城 一楓 
 天城 一楓 
調停者は世界の果てワールズエンドにいるわけだし、簡単に会える訳じゃないな

世界の果てに居ると噂はされているが、実際真偽さえもわからない。

世界が ” 戦場 ″ となることは皆避けたいに決まっている。それでも戦わなければならない。その理由がぶつかり合った結果がこのザマだ。

 月峰 宝華 
 月峰 宝華 
そうだよ!戦いは最終手段だから。
 月峰 宝華 
 月峰 宝華 
意味もなく人を傷つけるなんて、そんなのできない
 白瀬 凛 
 白瀬 凛 
意味のない行動なんて嫌だし、私も反対
 白瀬 凛 
 白瀬 凛 
もしもその争いに価値が生まれたら…そのときは、その争いに加担する

 



争って敵を倒したところで何も生まれない。それはここにいる誰もがわかっていることだ。


世界の指揮官にとっては僕達も彼らも所詮同じ。僕達の間に善悪なんて存在しない、互いの正義を貫き通すだけ。


それでも、いつかぶつかり合ってしまう。


この世界の命運をかけた戦いは、いつか繰り広げられてしまう。


______ 僕達と彼らの想いが混ざる、決してないのだから。


























頭を悩ませていたのは、破壊者デストリー


悶々と書類と向き合ってははぁ、と溜め息をつくの繰り返し。



 ローズオレンジ 
 ローズオレンジ 
世界を壊す…響きはカッコ良いんだけどな〜。
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
わかるわかる!!
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
世界を壊すって聞くと、どこかのアニメみたい!
 ローズオレンジ 
 ローズオレンジ 
いや、響きがカッコ良いってだけで中身は……


言いかけた言葉はギリギリで飲み込んだ。


くむは分かっていそうで何もわかっていない。勘は鋭いのに、普段はどこか的外れだ。

 ローズオレンジ 
 ローズオレンジ 
ま、とにかくここを燃やし尽くす。ただそれだけだ
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
燃やし尽くす??
 夢蜜 明猫 
 夢蜜 明猫 
世界を破壊するって言っても、具体的に何をどうやって破壊するの?
 夢蜜 明猫 
 夢蜜 明猫 
具体的な策がないと、こっちも下手に動けないんだけど
 ローズオレンジ 
 ローズオレンジ 
この世界には、″ 核 ” が存在するのは知ってる?



世界の核。


破壊者、守護者の両者が追い求めているものだ。


 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
かく?うん、知ってる!
 ローズオレンジ 
 ローズオレンジ 
…本当に?
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
” 全部で七箇所あるとされている。全て破壊すれば、この世界は完全な破壊を遂げるのだ ”
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
核は虹の七色のようにそれぞれ名前があって、核のことをこの世界では ” 虹泉 ”って呼ぶんだよね!
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
これ、本でよく読んだんだ!!
 ローズオレンジ 
 ローズオレンジ 
詳しいなと思ったら、本で学んだんだ
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
よく読み聞かせもされてたからね!



虹泉は、世界の七か所に分散している。


その在処を知るのは世界の指揮官のみで、他はなんの手がかりもなかった。



 夢蜜 明猫 
 夢蜜 明猫 
なら、その核を全て破壊すれば良いのね
 夢蜜 明猫 
 夢蜜 明猫 
肝心のその核の場所はどこにあるの?
 ローズオレンジ 
 ローズオレンジ 
それがまだわからないんだ、各国のどこかにってことしか。
 胡天 くむ 
 胡天 くむ 
ここはくむの勘に任せて!!
 夢蜜 明猫 
 夢蜜 明猫 
頼んだよ




虹泉が全て破壊されたとき、この世界は終わりを告げる。
 

灰色に濁ったこの世界がなくなる。





長きに渡って存在し続けた世界に終止符が打たれるまで、あと______  











視界が淡く霞んでいる。






暗闇に包まれた水底に手を伸ばす。






白く美しい真珠に、手を伸ばすように。












 * 神楽 手毬


カフェのオーナーを務めるお姉さん気質な女性。
落ち着いているが時々ノリに任せてとんでもないことになったり。司令塔系のものを好む。

世界の破壊を止めるために動く。


「 手毬は良縁を結ぶという意味合いがあるの。きっと世界とも良縁を結べるはずだわ 」











 * 白夢 桜華


妹気質で甘えん坊な女の子。
寂しがり屋で褒められて伸びるタイプ。

世界の破壊を止めるために動く。



「 世界が白紙になってしまう前に、世界に華を咲かせて 」






 * 黒瀬 蒼埜



優しくおとなしい、17歳の女の子。
遠慮しがち。

世界の破壊を止めるために動く。



「 私達は常に黒い世界の瀬戸際にいる。運命分かつ世界を、好き勝手にはさせないから 」







 * 宵坂 遥灯 


マイペースで軽い18歳の男の子。
やるときはやる、有言実行なタイプ。自己犠牲しがち。

世界の破壊を止めるために動く。



「 待宵の哀しき夜よりも、遥か遠くに見える灯りに手を伸ばして 」












脅威の3000文字。


全員を上手く出し切れてなくて申し訳ないです、、5話以内には全員出し切ります🙌🏻♡
皆さん一人一人のメイン回も作っていく予定なのでお楽しみに!!


朝が弱くて無理やり引き摺り出された自覚ある人いるかも。




そしてそして!!感想コメ本当にモチベになってます、めちゃくちゃ嬉しいですありがとうございます!!😭😭全部嬉しすぎて泣きそうになりながら読んでます。

作者のやる気に繋がるので感想コメくださるとすごく嬉しいです🙏🏻💞



今日は間に合えばもう1話投稿する予定です!そちらもお楽しみに!!

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