くっ、人が混乱してる時に笑いやがって…!
この人、見た目によらず悪戯好きなのか…?
ま、まぁ、合理的なのが好きな人って聞いたし…、
嘘をつくのは合理的ではないし…、
半冷半燃…、強そう
個性はその人が使おうと思えば使える。
条件の中でしか出せない個性も、条件を満たせば使える
相澤先生の個性は使おうと思えば使えるのだろう。
個性が…、『 無効化 』
確かにそれなら、
転弧の個性が効かなかったのも説明がつく。
…私が崩壊したのは転弧の個性が強力だったからか?
そうとなると、早く転弧を見つけなきゃ大変なことに…!
私はその言葉に深く頷いた。
相澤先生は深く考えたあと…、
ジリリリリリリリッ !!!!!!!!
《 セキュリティ3が突破されました! 》
《 生徒の皆さんは速やかに避難してください 》
急にアナウンスが入ると
先生たちは素早く出口へと出ていった。
ほら、と指を指す向こうに確かにマスコミはいる。
…、でも、どうして?
なぜ、あれほどのセキュリティの壁がありながら
マスコミは突破できたの?
…、誰かが 『 壊した 』 ?
" 壊す " この言葉は私とってささやかな期待をくれる
もしも、転弧が生きていたら?
もしも、転弧がだとしたら?
もしも門の先に転弧が居たのなら_________
気がつけば走っていた。
ヴィランでもヒーローでも、なんでもいい。
なんだっていいから、転弧に会いたい。
会って、抱きしめて、転弧が生きてることを知りたい。
そう思えば思うほど体は動いて、
今までの足の速さは嘘だったかのように、門に着いた。
マスコミなんかいなくて、先生たちがいて、
香山先生も後から追ってきてくれた。
私は、門の前に立って、
塵になったセキュリティの壁をまじまじと見た。
『 お姉ちゃん…! 』
転弧との日々が、日常が走馬灯のように駆け巡って
無意識に、泣いていた。
涙は止まらなくて、転弧なんて確証は無い。
それでも体の水分が枯れるほど泣いた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。