第4話

胸が高鳴る
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2024/07/01 12:57 更新
私が手を握り返すと、博士は繋いだ手をさらにぎゅっと握り返してきた。
笑顔でそのまま博士はじっと見つめてくる。
透き通ったエメラルドグリーンの目に、色鮮やかな光が灯っている。まつ毛も長く、碧く非常に美しい。
私はその瞳に吸い寄せられるように、少しの間うっとりとしていた。
レオス•ヴィンセント
、、、何ずっと見てきてるんですかぁ〜?
にやりと博士が笑う。私は顔が熱くなってさっと目を逸らし、手を離す。
あなた
あっ!すみませんっ!!
レオス•ヴィンセント
まるで私に見とれているような顔でしたねぇ〜、、、。
あなた
 (その通りだ、、、そんなに顔に出ていたなんてっ、、、)
レオス•ヴィンセント
まぁ、私はIQ一万垓のスマートイケメンですし!
あなた
( IQ一万垓?!スマート?!)
レオス•ヴィンセント
あなたが、助手といえどついつい惚れてしまうのも無理ないですねぇ〜
あなた
なっ、、、!イケメンはさておき、誰がスマートですか!
思い当たる節は幾つもある。
あなた
最初マメネコは逃しちゃうし、さっき私に逃げられようとしてましたし、、、!見通しが甘いような気がします!
あなた
そ、それに、、、!別に惚れたわけじゃないですよ、、、!
レオス•ヴィンセント
本当ですかぁ〜??
あなた
はい、、、!!
博士はいぶかしげにこちらを見て、今度はニヒルに笑った。
レオス•ヴィンセント
私、見通しが甘いってよく言われるんですよ、まさかあなたくんにも言われるなんて、そんなに甘いですかねぇ?
レオス•ヴィンセント
まぁ、いいでしょう。
そう言うと博士は時計の方に目を向け、時間を確認した。
時刻は午後4時05分だった。
レオス•ヴィンセント
実は7時にエデン中央都市のレストランでお偉いさんとの予定があるんですよ〜。
あなた
えっ?!そうなんですか!?
レオス•ヴィンセント
そうなんですよぉ〜、
レオス•ヴィンセント
なんでも、私の研究に興味がある人達が、お話聞かせて欲しいそうなんです〜。
レオス•ヴィンセント
それで、なんと美味しいお料理をご馳走してくれるそうなんですよぉ〜!!
あなた
へぇー!いいですねぇ!
レオス•ヴィンセント
あ、せっかくですし、あなたくんも来ますぅ??
あなた
えっ良いんですか?!
レオス•ヴィンセント
当然ですよ〜!助手ですからぁ!
あなた
行きます!
レオス•ヴィンセント
決まりですね、ならお互いフォーマルな服装に着替えましょうか。
レオス•ヴィンセント
えっと、、、どこで着替えさせましょうかねぇ、、、?
隠れるところのない部屋をぐるぐると見渡す博士。私は「一方は建物から出てもう一方が着替え終わるのを待ったらいいのでは」と伝えた。
レオス•ヴィンセント
いいですねぇ!そうしましょう!
レオス•ヴィンセント
じゃああなたくん!どちらが先に着替えるかじゃんけんしましょう!
子供みたいだなぁ、と少し思いながらじゃんけんをする。博士が勝った。
レオス•ヴィンセント
勝ちました〜!行ってきますねぇ〜!
愛嬌たっぷりの笑顔で片手を小さく振り博士は着替えに行った。
あなた
はい、行ってらっしゃい。
およそ15分後、博士はスーツを身にまとい出てきた。スーツは深い紺色で、ネクタイはさっきと違ってグリーンである。いつもと雰囲気が変わって、落ち着いていて大人っぽい。
あなた
(正直すごく格好良い、、、。)
スーツが癖の私は思わず見惚れて口角が緩み、目を輝かせてしまった。急いで手で口を覆い、表情を隠す。
レオス•ヴィンセント
じゃじゃーん!どうですかぁ?格好良いでしょう!
お気に入りの一張羅イッチョウラなんです〜!
博士は自慢げにその姿を見せてきた。私は、凄く格好良い!と伝えるのは若干癪だし、なにせ恥ずかしいので、
あなた
へぇ〜…!いいですね!
とだけ口にして、あたかもときめいていない風を装い伝え、ふいと別の方向を見た。すると博士は私の言葉を聞いてまたにこにこしながら私の元に近づいて、顔を覗き込んできた。
レオス•ヴィンセント
さぁて、次はあなたくんの番ですよぉ〜
レオス•ヴィンセント
どんな格好か気になりますねぇ〜!
レオス•ヴィンセント
フォーマルとは言っても、レストランに着ていくようなドレスは恐らく持ってないでしょうから、
あなた
はい…
あなた
(読まれてるのなんか悔しい…!)
レオス•ヴィンセント
落ち着いた色のワンピースとかでも構いませんよ。
あなた
あ、それなら待ってます。了解です!
私は建物に入って、着替えるワンピースをスーツケースから取り出した。爽やかな水色の袖がふんわりしたパフスリーブのワンピース。
とても可愛くて、お店のショーウィンドウで一目惚れして少ない貯金を崩して買った大切な一着である。

お気に入りのワンピースを身にまとい、揺れる小さな白いパールの素敵なイヤリングをつけて、髪をゆるくまとめてセットした。

バッグを待って、メイクを直し、完璧に仕上げた。
あなた
よぉし!完全にお洒落でフォーマルな格好になった!
あなた
自分で言うのもなんだけど…!なかなかセンス良くない!?
あなた
博士きっとこれなら、あまりのセンスの良さに驚くだろうな〜!
私は確信してドヤ顔でスニーカーをパンプスに履き替え建物を出た。
あなた
戻りました!準備万端です!😊
レオス•ヴィンセント
…!!
博士は私を見るや否や目を丸くして、口を開けて、驚いたように固まってしまった。そして、先ほどまでと雰囲気の違う、少し落ち着いた声色で、
レオス•ヴィンセント
………そのワンピースとても似合ってます。
レオス•ヴィンセント
…素敵ですね…。
と横を向いて片手で口元を軽く覆いながら言った。ほんのり耳と頬が赤いような…まるで照れているようだった。

私は予想外の言葉をかけられて、時間差で若干戸惑ってしまったが、褒めてくれたことを素直に嬉しいと思い、笑顔で感謝を伝えた。
あなた
ありがとうございます、博士!
そんな私を見て博士は優しく微笑みながら
レオス•ヴィンセント
いえいえ、大切なあなたくんのことは褒めて当然ですからぁ。
あなた
(まるで、その言い方だと、博士は私を助手としてじゃなく、人として大切に思っているみたい…。
何でか少し嬉しい…?かも…。)
レオス•ヴィンセント
さぁ、タクシーここじゃ捕まりませんから、早速大きな通りまで行きましょう!
あなた
はい!
通りまで歩いて、しばらくした時だった。私が夕日の綺麗な景色を見ながらあんまり喋らずにいると、
博士は前を歩いていたが、ふいに私の隣にやってきて、並んで歩き出した。はたから見たらもうカップルのようである…。
かなり恥ずかしい…。
あなた
 え?どうして急に隣に来たんですか?
レオス•ヴィンセント
だって、あなたくん全然話さないし、もっと仲良くなりたいじゃないですかぁ〜…。
あなた
あっ、すみません気づかず、そうだったんですね。
レオス•ヴィンセント
隣でこうして並んで歩けば顔も見られますし〜、
レオス•ヴィンセント
手も…繋げますし!
あなた
へっ!?
そう言うと博士は急にぎゅっと手を掴んできた!私は驚いて、心臓が早く鼓動しだす。
レオス•ヴィンセント
おや、どうしたんですかぁ〜?なんだか脈が早いような気がしますねぇ…。
あなた
急でびっくりしただけです…!
あなた
(…っ!バレた!恥ずかしっ…!)
顔まで赤くなってくる。急いでそっぽを向いて誤魔化そうとしたが、無駄だった。
にやにやした博士が尋ねかけてくる。
レオス•ヴィンセント
ちょっとぉ〜?どうして照れてるんですかぁ?
〝仕事のパートナー“として社会では普通なんですよぉ〜?
あなた
(絶対…!違う…!!)
レオス•ヴィンセント
その反応だとやっぱり、私に惚れてます〜??
あなた
はい〜?!だから違いますってば!
あなた
もう!なんでさっきから私のことからかうんですか…!
あなた
(ほんと、なんなんだろう…!この人!)
私はまるで気持ちを翻弄されたように感じ、やや苛立って聞いてしまった。
レオス•ヴィンセント
だって、あなたくんの反応が分かりやすくて、
観てて面白いからじゃないですかぁ〜!
あなた
え…ちょっと…!私を観察対象にしようとしないでください!それに、そういうのは失礼なんじゃないですか!?
あなた
何かのハラスメントに該当しそうじゃないですかね〜…??
仕返しのつもりで、冗談でそう言うと、博士は困り眉をして、あたふたと手を動かし焦りながら
レオス•ヴィンセント
えぇっ…!すみません!そういうのはやめてください〜!
レオス•ヴィンセント
あなたくんのような助手が出来て嬉しくて〜…つい調子に乗っていました…。
思わぬ本音が聞けて、何だかんだ可愛らしい人だよな、とか反応が面白いのはお互い様だな、とか思いつつ私は博士に言葉を返す。
あなた
冗談ですよ。まぁ、分かってくれたのなら全然大丈夫です!
あなた
私のこと、助手だからってあんまり甘く見ないでくださいね…!
そう私が軽く注意すると、博士はしゅんとして、
レオス•ヴィンセント
わかりましたよ〜…。
と少しいじけて弱々しい返事をした。
そうこうしているうちに私たちは大通りに到着した。

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