第3話

狂気
392
2024/07/01 12:56 更新
しばらくして何か建物が見えてきた。
あなた
(失礼だけど、思っていたより小さい、、、。)
あなた
(なんか古そうだし、、、?)
レオス•ヴィンセント
つきましたよ〜!
あなた
お〜、、、!着きましたか!
あなた
(えっ?本当にここなんだ、、、。)
博士は車から降りると、私の微妙な反応を見て、口をむっとさせながら、不服そうになった。
レオス•ヴィンセント
なんか反応悪くないですかぁ〜??
レオス•ヴィンセント
もうちょっと、
「立派だ〜!」「わぁ〜すごぉ〜い!」
とかっていってくれても良いんですよぉ?
あなた
えっ?
あなた
(なんか、変に自信満々だなぁ、、、だけど言うほどじゃないし、、、。)
あなた
あ、はい。すみません。
レオス•ヴィンセント
もぉ〜〜!なんだか悔しいですねぇ〜!!
レオス•ヴィンセント
中を見せます!
そうすればきっと、貴方は驚くことでしょう!
レオス•ヴィンセント
さぁ!どうぞ上がってください〜!
力強く手首をグッと引かれる。古い玄関の引き戸を開けると、すぐ、六畳ほどの小さな和室が広がっていた。

やはりタバコの匂いがする、、、。
部屋の角にある机の上に、試験管や怪しい色の液体が
入った丸底フラスコ、注射器なんてものも見つけた。
さらに薬品らしきものも沢山並べてある。
それとバランスボールが机の前に椅子のように置いてあった。
そんな中、

ちんまりと、気持ちよさそうに小さな寝袋に入った、ハツガソライロマメネコが机の上で眠っていた。
あなた
おー!薬品があって研究室っぽい!
レオス•ヴィンセント
えぇ、えぇ!でしょう!
あなた
それに、マメネコが眠っていてとっても可愛いですねぇ、、、。☺️
レオス•ヴィンセント
そうでしょう!そうでしょう!☺️❤️
すると、機嫌を直した博士は私に、
さらに凄いものを見せましょう!といい、研究所の外に出ていってしまった。
10分ぐらいして、外から博士の何か重たい物を運ぶような辛そうな声が聞こえてきた。
レオス•ヴィンセント
はぁ、はぁ、全く、、!本当に重たいですねぇ、、、!!
勢いよく足で玄関扉を開けた博士は何やら大きな機械を運んできたようだ。
あなた
何ですかこれ、、、!?
人が一人ちょうど中に入れそうな大きさの円柱状の機械だった。
側面が透明なアクリル素材のようで、中身は翡翠色の液体で満たされているようだった。
後方にはコードらしきものが何十本も伸びている。
私はこんなものを今までに見たことがなかった。
レオス•ヴィンセント
クローン生成機です。
あなた
えっ?!クローン生成機!?
あなた
クローン生成って人権問題が難しいから、確か重罪じゃあないですか!!
あなた
別個体はもう作ってしまったんですか!?一体なぜ!?
博士は混乱している私を少しばかり面白がるように笑いながら答えた。
レオス•ヴィンセント
まぁまぁ、あなたくん、そんなに焦らないでくださぁい。
レオス•ヴィンセント
“彼ら” は私の被験者なんですぅ。
あなた
え。ひっ、被験者!?
彼は自分の発想があたかも天才的なものだと思っているように、堂々と笑いながらことを詳らかにした。
レオス•ヴィンセント
私は普段、マメネコの観察もしますが、基本的には日夜人々の役に立つ〝素晴らしい薬”の研究開発に励んでいるのですよお!
レオス•ヴィンセント
そこで薬の効果を試すためにクローン被験者を使ったんです〜!
動物実験するより、私のクローンである人間に直接投与した方が手っ取り早いですからねぇ!
いっていることは間違いでもない気がするが、
犯罪を犯しておいてここまで堂々とできるのは、
この博士、間違いなく狂っている。

私は被験者の叫び声を思い浮かべたり、
想像と違いすぎる博士を知ってしまったことで、パニックになりここから逃げたいと思った。
あなた
っ、、、。
あなた
(怖い)
私は後退りをし、
あなた
す、すみません、、、!やっぱりここでは働けないです!!!
あなた
失礼しました!!
そう言い放ち、お辞儀をし、回れ右して、全速力で逃げようとした。その時だった。


博士はとても切ない声色で、
レオス•ヴィンセント
行かないでください〜!
と私を引き留めた。そして止まった私を説得するように言葉を続けた。
レオス•ヴィンセント
働いてくれるといったじゃあないですか、、、。
レオス•ヴィンセント
あなたくん、嘘だったんですかぁ、、、?
レオス•ヴィンセント
酷いです!!傷心しましたぁ、、、!
いくら怖い人でも、切実な思いを伝えられると、、、。
私はより逃げることが、申し訳なくなってしまった。
あなた
(うぅっ、切実な思いを伝えられると、心苦しい、、、。)
あなた
(確かに、私はここで働くと決めたし、そう言ってしまった、、、。)
あなた
(ちくしょうっ、、、こんな事になるなら、ここに来るまでに、日々何の研究をしてるか詳しく聞いておくべきだった、、、!!)
私は沢山ぐるぐると頭の中で考えていた。
重い空気が私たちの間にしばらく流れる。
そこで、博士はすかさず私に懇願しだした。
レオス•ヴィンセント
貴方のこと、犯罪に触れさせるつもりはありませんからぁ、、、!
レオス•ヴィンセント
お願いします、、、。ただそばで、貴方に支えていて欲しいんです、、、!
あなた
(この人は、なぜここまで必死なのだろう、、、)
あなた
(私のことをそこまで気に入ってくれたのだろうか、、、?)
ここまで人に必死で頼まれたことがなかったし、なにより、博士の最後の「ただそばで、支えていてほしい。」という、その言葉に私の心は動かされた。

私は博士に謝って、立派な助手として支えようという決意を改めて伝ようと思った。
あなた
ごめんなさい、働くと確かにお伝えしたのに、逃げようとするだなんて、無責任でしたね、、、。
あなた
ここで働きます。是非支えさせてください。
私がそう言うと、博士の表情はころりと変わり、とても嬉しそうな笑顔になった。
レオス•ヴィンセント
そう決意してくださって、ありがとうございます〜!
レオス•ヴィンセント
あなたはただ私の人体実験の事知らないふりをしていてくださいね〜!改めてこれからどうかお願いします〜!😊
知らんぷりでもそれって犯罪にならないのかなと思ったが、どうなのだろうか、、、。
にしてもユリカが応援してくれたとき、そしてここにくるまではもの凄くテンションが上がっていたが、着いてから本当に色々不安が重なり、気持ちが落ち着いてしまった。
あなた
はい。了解です、、、。これからよろしくお願いします。
不安で少々冷たい感じの返事をしてしまった。博士はそんな私をみて、左手をそっと差し出してきた。
レオス•ヴィンセント
仕事のパートナーとして、握手をしましょう。こんな状況になってしまい不安だとは思いますので、、、。
あなた
はい、そうしましょう、、、!
気持ちに気づいてくれたのだと分かり私は、少し安心出来た。そして差し出されたさりげなく優しい博士のその手を握り、握手をした。
最初の第一話、二話から長らく投稿出来ていませんでしたが、これからは、こんな感じでちまちまと気まぐれに出していこうと思います。
毎度読んでくださる皆さんのおかげで、書くことを楽しませてもらっております。本当にありがとうございます!
今後ともよろしくお願いします😊

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