そう言って おちた男の人の スカジャン を
脱がせる 十亀さん
いつもより声を低い蘇枋さん
表情は分からないけど
声だけで 怒っていることが分かる
少しづつ桜さんの元へ
近づいてくる十亀さん
そう言い切る時には
もう既に 桜さんの目の前にいた
と 、 珍しいものでも見たかのように
サングラスを上げ
桜の頭をじっくり見る
心の中で 『 オセロ 』 に同意したのは内緒にしとこう
絶対怒られる(
ya君の袖を掴んでいた手に更に力がはいる
十亀さんは 先程脱がしたスカジャンを
自身が来ていたスカジャンの上に羽織り
カランコロンと音を立て去って行った
勢いよく 桜と杉下 の間に来て
またまた 勢いよく喋る楡井
優しく楡井の背中を擦ると
楡井は呼吸を整える
蘇枋が指差した方向には
大量の 胃薬を飲もうとする柊さんに
皆がぎょっと驚く
俺も初めて 柊さんと会って
胃薬を大量に飲んだ時は
『 自殺か…? 』 と驚いた
と 不思議そうな眼差しで蘇枋を見る
蘇枋も不思議そうに 顔を傾けると
綺麗なタッセルピアスが しゃらっと音を立てた
冗談半分でrnに言ってみる
涙目で俺に訴えるrn
嗚呼 、 やっぱり信じたな
それを見て 相変わらずの笑顔な蘇枋
これを言えば 圧で殺される気がする
そう 胃薬を飲みながら楡井の言葉を否定する柊さん
その言葉に楡井はがくっと肩を落とす
バッと後ろを振り向き
三中に目を向ける
顔に傷だらけの 三中は
笹城 と名乗った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!