「 ガラガラ, 」 と教室のドアを開ける。
中には誰も居ない。
誰も居なくて一番乗り。
そんな事実が微量だけど嬉しく感じる。
あなたの名前はケーブルイヤホンをスマホと耳に付けて,
好きな音楽を流す。
そして,途中で買ったジャスミンティーを口に含む。
ここまで優雅な登校などあるのだろうか?
と,誰かに聴きたくなるほどたのしい登校初日となった。
随分,時間が経った。
あなたの名前は,相も変わらずゆったりと音楽を聞きながら
ジャスミンティーを喉に通す。
だが,一つだけ違う所がある。
それは………クッキーが机上に置かれているではないか。
しかも,開封済みのチョコチップだ……
何とも有罪……。
そんな清々しい空間と,同じ場所だとは思えない程の
口論を繰り広げている人達が二人。
片方はメガネで片方はトゲトゲとしたクリーム色の髪。
すると, 「 ガラガラ 」 ドアの開く音。
ドアを開けたのはモサモサっとした緑色の髪を持つ男子生徒。
そんな男子生徒に気付いたのか,
口論していたメガネはそちらに駆け寄る。
すると,さらにドアから 「 ヒョコ 」
と現れた丸い顔立ちの女子生徒。
緑のモサモサ頭の男子生徒は
丸顔女子に話し掛けられて顔を紅らめている。
先程の口論のせいで,キリキリとした雰囲気は
ふんわりと和らいだ気がする。
だが,
そんな事などお構い無いと言わんばかりに
丸顔女子生徒の後ろから声がする。
2人は目を丸くして,声のした方に視線を向けると......
そこには,寝袋に入っている小汚い男性が...。
まるでイモムシの様だ。
寝袋男性は中からゼリーを出して 「 ヂュッ!! 」
と一気に吸う。
そして口を開ける。
そんな姿を見て教室内は急激に静まり返る。
そして,皆が思う。
この時が初めてクラスで息が会った瞬間だ。
寝袋男性は寝袋から出て教室内に入ってくる,
そして,淡々と言葉を口から発する。
くたびれた格好の男性はもしや...先生...なのか?
クラスの皆がそう思う。
緑のモサモサ頭の男子生徒
──────緑谷出久,は言葉を漏らす。
...でも,見た事ないぞこんなにくたびれた人......。
緑谷出久はそう思う。
皆が驚く...。
だという衝撃の事実に。
だが,彼女...あなたの名前はどうやら,
彼 の事を知っているようだ。
とぉやが,もしかしたらヒーローになっているかも知れない,
そう思って調べた際に見かけたヒーローだ。
特徴的なゴーグルが見えない為,
ヒーローオタクの緑谷出久が気付くのはこの後である。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。