第14話

じそ 2
432
2025/11/30 12:00 更新



lk side.



水道の前に立つはんじそんを見て、気づいてしまった、背が足りねぇ


俺も小さい時は台が置いてあってそれを使ってたが、
もう使わなくなってだいぶ久しい


これは、俺が持ち上げるしかないのか…
lk
届かないだろうから持ち上げるけど
いいか?
また静かに小さく頷いたハンジソンは、
俺と水道の間に入り、自分の足元に丁寧に人形を置いた

てかこの人形はなんなんだ


人形を置き終えて、腕を横に伸ばしてこちらを見上げるハンジソン


…え??


理解できなくてハンジソンの顔を見つめていると、
伸ばした腕を少しだけ揺らして、俺に強調してきた


なんで俺ハンジソンと向かい合ってるんだ?
lk
…えっとー、
手洗うから逆向きなんだけど…
そう伝えると、はっとしてようやく半回転した
lk
持ち上げるよー、せーのっ、!
脇の下に手を入れて持ち上げる


鏡越しにハンジソンを見ると、目線が高くなったのが
嬉しくなったのか、口元がむにむにと動いていた

…が、そのまま目が合うと慌てて口をきゅっと閉じた


いや、見てたからばれてるし早く手洗ってくれ
lk
そこのレバーあげて水出して…
石けんはこっち……
最初持ち上げた時は軽くて余裕だなって思ったのに
この数十秒がなかなかきつい


やっとの思いでおろして手を拭かせると、すぐに茶色の人形を手に取った


そんなに大事か?それ
lk
じゃあリビング行こっか、
荷物置いて一緒に遊ぼう
hn
…ん
初めて返事が返ってきたのでびっくりしてハンジソンの方を見ると、向こうもこちらの様子をうかがっていたのか一瞬だけ目が合った

…慌ててそらされたけど


先導するように洗面所を出て、リビングに向かった
lk
その辺てきとーに座って
リビングのローテーブルの前まで連れてきて、どかっとソファーに座る


なんだかどっと疲れた…


ハンジソンもソファーに座るかと思ったのに、俺と
テーブルを何度か交互に見つめた後、テーブルを挟んで俺と対角線を取るようにラグの上に座った


…俺まだそんな警戒されてる…?
lk
あーっと、飲み物出すね、
…リュック下ろしたら…?
ソファーから立ち上がって近くを通り、キッチンに行くまで全ての行動を目で追われる


小さく体育座りをしたまリュックを下ろし、自分の体の近くに置いた


なんか飲み物あったっけなー…


俺も親もジュースなんて飲まないから、冷蔵庫に子供が好きそうな飲み物なんか入ってないのはわかってるけど一応開けてみる

…お?

普段なら絶対に入っていない、オレンジジュースと
リンゴジュースの紙パックが入っている


しっかり子供の面倒見れるように
準備されてるじゃねーか……
lk
オレンジジュースとリンゴジュース
あるけどどっち飲む?
牛乳もあるし、お茶とか水もあるけど
hn
…おれんじ、のみたい…
lk
んー、
やっと会話らしい会話ができた


意思はちゃんとあるらしい、
ちゃんと伝えてもくれるらしい

……相変わらず声は小さいけど、


シンプルなものが並ぶようになった食器棚から、
来客用のなるべく子供が好きそうなコップを取った

小さめで明るい茶色のプラスチックコップ


ついでに自分が愛用してるシンプルな黒いコップも手に取り、オレンジジュースをそれぞれ入れる
lk
はい、どーぞ、
hn
…あり、がと、
またソファーに座り直し、ぐっと一口飲む

…うん、あっまい、もう飲まない、


ずーっと感じる視線をたどり、コップを手に持ったままのハンジソンとあえて目を合わせる


目が合うと思ってなかったのか、驚いた表情をした後
恐る恐るオレンジジュースを飲んだ


一口飲むとぱあっと顔が明るくなる…
…が、俺がまだ見ていることに気がつくと慌てて
小難しい顔をしてコップをテーブルに置いた


ずっと思ってたけど、こいつ表情豊かだよな、
アニメみたい、まだ俺には隠してるつもりっぽいけど


今度は俺が視線を逸らさないからか、
きょろきょろと挙動不審になり始めるハンジソン


ごめんだけどさっきは逆にやってた側だったんだからな


これから数時間一緒にいるわけだし、さすがにこのままではまずいので仲良くなれるよう会話を試みる


まずは基本情報から聞いてみることにした


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