第73話

お話
337
2024/06/21 05:37













あなたさいど



優しく包み込んでくれるような声


この声を、私は知っていた。


このひとを、しっている



あなた
くずっ…は…グスッ

知ってる…私…知ってるの

葛葉
え、え…あなたの葛葉に呼ばれたい名前…?

あなた
ごめん、なさいッ…ヒック…

私、なに…っ、なにして…るんだろう…っ

……あなた…

葛葉
…記憶…おもどって…

あなた
なんで…忘れてたんだろう…わかんない…

ごめん、ごめん…葛葉

私は葛葉の服をつかんだ。


葛葉の胸にかおを埋めて泣いていた。


葛葉
…怒鳴って悪かった…すこし、話をしよう。

そうだね、困惑してるだろうし

そうして、私と葛葉と叶は屋上のベンチに座った


私が落ち着くと、葛葉が話始めた


葛葉は私を追いかけて外に出たとき、光津事故に遭いかけたこと。


それを私が庇って、怪我をして、記憶喪失になってぃまっていたこと。


私は、いま私がおかれていた現状を理解した。


あなた
ごめん…私が逃げなかったら、こんなことにはならなかったよね…ごめん

葛葉
そんなことない…そんなことないんだよ…

頼むから、謝らないで。あなたの葛葉に呼ばれたい名前

あなた
で、でも…わたしが

葛葉
俺がまず誤解されるようなことをしていたのが悪かった。あなたの葛葉に呼ばれたい名前を不安にさせたことが。

すまなかった

あなた
…葛葉…

はいはーい、ふたりとも、謝るのはおしまいね

あなた
え、か、叶…

せっかくあなたの記憶がもとにもどって、おめでたいのに、謝ってばっかじゃ嫌でしょ

葛葉
はっw幸せなやつだな

あ、いま喧嘩売っただろ!?

葛葉
あー、ハイハイ売りましたよぉ


いつものふたりだ…ちょっと安心した


あなた
クスッ…そうだね、

よし、んじゃあ、みんなに報告しにいきますかぁ…

葛葉
あ、おれも…

だーめー。葛葉はここでふたりでお話ししてなさい

葛葉
え、なんで…

いっとくが、次はないからな。葛葉

そういって、叶は階段を降りていった


何をいっているのかあまりわからなかったけれど、葛葉には通じているみたいだった


葛葉はこっちに向き直って、真剣なかおでこっちを見てくる


葛葉
んあー…とりま…よかった…

マジで終わったかと思った。あなたの葛葉に呼ばれたい名前の記憶なくなったとき…

あなた
あ、あははwその件は、ごめん

葛葉
だーかーら、あやまんなって

葛葉
次謝ったらキスすっかんな。わかったか

あなた
は、はい…

葛葉
…実は、あん時あなたの葛葉に呼ばれたい名前に渡すプレゼント探してたんだ。ほら、やる

あなた
…わぁ、かわいい!ごめんね、ありがと…

チュッ

あなた
んんー!?!

葛葉
ん、あやまったからキスなw

あなた
は!やってしまった…


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