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第22話

Story 17
110
2023/09/05 11:00
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……




























スピカ・クレイム
…………パチ
スピカ・クレイム
あ、れ…………
スピカ・クレイム
(ここ、どこ……)
スピカ・クレイム
(からだ、ち、血は……)
スピカ・クレイム
な、んで……





わたしは、生きてるの……




エースは……?デュース、は……?




ユウくんに、グリムに……




クローバー先輩に、ダイヤモンド先輩……




ローズハート先輩、は……?




みんな……どうなっちゃったの……




スピカ・クレイム
(早く……)
スピカ・クレイム
早く…たすけに、いかなきゃ…





カラカラ……




???
っ?!
???
起きた!先生呼ばないと、
スピカ・クレイム
ねぇ!みんなは?!無事っ?!
???
え、?
スピカ・クレイム
エースにデュース、ユウくんにグリムに…オーバーブロッドしたローズハート先輩はっ?!
???
えっと、
スピカ・クレイム
みんな……みんな無事なの?!
???
ちょ、ちょっと落ち着いて
スピカ・クレイム
落ち着いていられないよ!!だって、だって私……
???
…深呼吸しようか、僕、キミの傍に行きたいけど……
???
茨で近づけないんだ
スピカ・クレイム
い、ばら……
スピカ・クレイム
(ほんとだ…棘が…)
スピカ・クレイム
(深呼吸……)
???
よかった…少し範囲が狭くなったかな
???
ここ、座ってもいい?
スピカ・クレイム
うん…
???
ありがと キシッ🪑
スピカ・クレイム
………
???
僕の名前は
氷室 ひむろ ゆう
スピカ・クレイム
ゆ、う……くん?
あははっキミもか〜僕って言ってるけど、女の子なんだよね
スピカ・クレイム
女の子……
そ、まぁ僕の話は置いといて……
キミの話、聞かせてもらえる?





優ちゃんは、最後まで話を聞いてくれた。




今思えば、妄想でも見ていたと言われてもおかしくないのに…




それでも最後まで、私の話を聞いてくれて




私が話し終わったあと、この世界での私の現状について話してくれた。




今、僕が知ってて僕がここで暮らしてる施設は日本にある“奇病専門病院”
僕も含めてここに集められた子たちはみんな、治療法が見つかっていない病気を患っている
キミ、スピカが患っている病名は“ブーケ・シンドローム”
身体が花などの植物に覆われていく病
キミの生命力を吸って成長していくみたいで、メンタル面で弱ってたりすると花の範囲が広がる
…って僕は考えてる
あと、中には幻覚を見せる花もあるみたいで、
スピカ・クレイム
違う!!絶対に私が見たのは…
うん、信じるよ
スピカ・クレイム
え……
あら、自分で言っといてびっくりしてら
スピカ・クレイム
だって……私の話、どう考えても………うそ、じゃん
おー自分で分かってんじゃん
僕実はね、ウソを見破るの得意なんだ
なんてゆーか、バイト仲間?が職業柄ウソつかないといけなくて
スピカ・クレイム
それ大丈夫なの…?
まぁ何とかなってたし、結果オーライ?…んで、よく僕がウソを見抜いて〜仲間の技を磨いてあげたこと、たっくさんあるから
とにかく、スピカの話はウソじゃないって分かってる
でも現実、そんなにホイホイ信じてくれる人ばかりじゃない
中にはスピカの話を全否定する奴だっているかもしれない
でも、スピカの話を信じてる人が少なくとも1人…いることは忘れないで
スピカ・クレイム
……あり、がと
じゃ、キリもいいし先生呼んでくる
またね





カラカラ……パタン




              嬉しかった。




      私の話を、まさか信じてもらえるなんて。




     だけど、それ以上に。




分かってしまった。




次は、あの子だと。




ツイステッドワンダーランドに招かれているのは。









































私が目覚めてから、1週間が経った。




そして、見つけてしまった。




ツイステッドワンダーランドのゲームアプリを。




優ちゃんがあの世界に行くとは正直半信半疑だ。





でももし、そうなってしまったら…




私はもう、後悔したくない。




おこがましいけど、助けられなかった人たちを優ちゃんなら助けられるのでは……




そんな思いを胸に秘めつつ、私の唯一の友達に話しかけた。




スピカ・クレイム
ねぇ、このアプリ知ってる?




































聞こえるだろ 扉の向こう 君を招く 





行こうぜワンダーランド





_ツイステッドワンダーランドの裏表紙 Fin_





続編、お楽しみに。

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