「こら!ヒカル!あんたいつまでスマホいじってんのさ!そんなに暇なら食パンとひき肉買ってきてちょうだい!」
ヒカルこと木下光はごく普通の男子高校生。ふつうに恋愛したいし勉強は嫌い。そんなヒカルはスマホをずっといじっていたため母親にお使いを頼まれたのである。
「やだよ!めんどくせぇ。母ちゃん自分で行ってこいよ!!」
ヒカルはスマホの画面から目を離さずに言う。
するとすかさず母親も
「あんたねぇ!もうお弁当も夕飯も作りませんから!お小遣いももうあげません!自分で働いて稼ぎなさい!!」
と言い、3000円をおいて部屋から出ていった。
こうなると仕方がねぇ、とヒカルは3000円をポケットに突っ込み、家から出た。
空には雲1つなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。