ナイフをギュッっと握りしめ歩いていく
チラッと見てみたが誰もいないようだ。
キラッっと光る何かが落ちている。
何だろう...これ?
しゃがみ込んで拾う
即視感がある.....
これ、私がエラーさんに貰ったロケットとそっくりだ...
いや、色が微妙に違うな....
色は黄色...金色?っていうのかな?
クロスさんがこんなのものを身に着けていた気がする。
もしかしてここで争っていたのは、クロスさん?
何で...争う理由は?
ガクッ
ギリギリのところで手が付く。
あとちょっとで顔面から崩れ落ちるところだった。
なんだ?急に...いや、また睡魔が襲ってきた。
ペチペチと自分の頬を叩く。
それに加えて最近は独り言も多くなった気がする
ま、そんなことは関係ないし、さっさと進も~
くるっと回ると真横にインクさんが立っていた。
ドッ、ドッ、ドッ、
まだ自分の心臓が騒いでいるのが分かる
様子がおかしい
スパイ...?はて?どういうことなのだろう
君”も”?
一体どういうことだ?
無意識に一歩下がる。
え、?
インクさんが何かを言っているが今は聞く気になれない。
攻撃を仕掛けたってこと?みんなが?
休戦協定を結んだんじゃないのか?
そもそも何でそんなことをした?
そもそも何で、だったら、...
まとまりのない考えがぐるぐると頭の中を回る。
急に意識が覚醒する。
あっち側、闇AU側と言うことだろう。
インクさんが筆を私に振り降ろす。
転生トリップ生活も悪くわなかったよ
キラリと金色のペンタンドが揺れた。
ガキンッと筆と骨がぶつかる。
インクさんはまだ無表情だ。
どうやらギリギリのところでクロスさんの攻撃が通ったらしい
クロスさんは金色のペンダントをつけている。
それは私がついさっき見ていたのとそっくりだ。
もしかしたらそれは別の人の物だったのかもしれない。
グイッと引っ張られて担がれる。
その瞬間景色が変わった。
いわゆる瞬間移動とやらをしたのだろう。
ビリビリとした声が響いた。
・・・・
私から出たとは思えないほど低い声が出た。
ドスドスドスとクロスに近寄っていく。
クロスの胸ぐらを掴み上げる。
クロスさんに会えて涙がポロリと落ちる。
そうだよ。怖いんだよ!!
あの家怖いんだよ!!なんでちょっと暗いの!?なんであんなに廊下長いの!?
チビるわ!!!!
クロスさんは口をポカーンを開けてこちらを見ている。
なんだよ...照れるじゃないか(〃▽〃)ポッ
ニコリと笑ってクロスさんに問いただす。
クロスさんはハッとしてやっと口を開いた。
いやあんたらも結構そっくりだろ
目つぶって服装帰れば全員ほぼ同じだぞ
まぁ茶番はよして
つまり闇AUと偽闇AUみたいなのがいるってことだな?
じゃああの金色のペンダントもその偽物クロスのペンダントってことかな?
なるほど。それは流石に手こずる。
....何でそれを光AUの人たちに話なさないんだろうか?
負の連鎖じゃん...
そうか、仲間が入れ替わってても分からないのか...厄介だ。
.....
.........このクロス。偽物じゃないだろうな
偽物だったらどうする?私即ぶっ殺案件じゃん!!
本当はクロスさん偽物じゃないですよね?って聞きたかったけどそんなこと聞いて
もし偽物だったら私死んじまう。
少し警戒しつつ偽物か本物かを見分けよう。
あなたならどうする?
アンケート
目の前のクロスを信じる。
83%
目の前のクロスを信じない。
17%
投票数: 47票
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!