翠 .
あれから、
彼女が、ゆうさんの前に堂々と出てくることは
なくなった
だけど、
遠くからずっと、見守っててくれてるのは
知ってる
彼女は、 まるで
太陽のように優しくて、向日葵みたいに暖かい 母親だ
ゆうさんが、転んだり 階段から落ちそうになったりした時に
そっと助けてくれる
それも、
周りから見ても、可笑しくないように
ゆうさんが、 孤立しないように
後ろ指を刺されないように
人間は、他と違うことを認めたがらない
何かが優れていても、何かが劣っていても
孤立の対象になる
普通を求めて、普通以外を排除したがる
きっと、 ゆうさんに迷惑がかかるって思って
避けてる
彼女の反応的に、
ゆうさんが初めて彼女を見ることができたのに
それを 思う存分利用しようと思えばできるだろうに
彼女には、それをするつもりが微塵もないんだろう
なんで、?
何にそんなに勇気がいるの、
「 たすけて 」 そういえば いいんじゃないの、?
もう、あなたは、頑張ってたんでしょ、?
ゆうさんには、どれくらいかとかは分からないけど
全く、分からないけど
きっと、 我慢も 孤独も 何もかもを押し殺してたんだろう
たしかに、存在してるのに
誰にも見て貰えないなんて、
そんなの苦しいに、決まってる
ゆうさんは、きっとそんな孤独耐えれない
1人で、何年耐えてたんだろう
考え込みすぎてて
全然、気が付かなかった
この、優しくて
犬のしっぽと耳が似合いそうなイケメンは
ゆうさんの幼馴染
おっちょこちょいでかまって王子の
藤月 徠艿
ゆうさんは、くにおって呼んでる
そう、
くにおのお母さんは、もう20年も前に失踪してっきり
なんの目撃情報もない
今、何処にいて どんな生活を送っているのかも分からない
他の男でもできたんじゃないか
育児が嫌になったのでは
もしかしたら、もう亡くなってるのかも
なんて、近所で散々、揶揄われてるのを何度も見てきた
だけど、
くにおのお父さん
幠陏さんは、ずっと奥さんの帰りを待ってる
今も、 変わらず
それって、
彼女と似てるような、
でも、同じになんかしちゃだめだよね
お2人に失礼すぎる
悲しそうに、それでも
ゆうさんに気を使ってか、
少し口角とトーン上げるくにお
幼い頃は、片親だって周りの子に言われて
よく泣いてたくにおが 、立派りなったなって
嬉しくなっちゃう
でも、その なんて言うか
彼女に、似てる
その優しい笑顔が
どこか、似ている
久しぶりに会った
幠陏さんは、前会った時よりも窶れて
どこか、今にでも消えてしまいそうだった
ゆうさんは、
最愛の人がもしも、
自分のところから突然姿を消してしまったら
こんなことを言って、待っていられるんだろうか












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!