「ゲホッ…ッ…はぁ…」
最近、どうも調子が悪い。咳は止まらず体も重い。
風邪でも引いたのだろうか。
だがそんなことはどうでも良い。
私は最期の時まで、自分の好奇心を満たし続けていたい。
しかし、それもいつまで続けられるのだろうか。
生ける者には必ず、"終わり"が用意されている。
だがそれはランダムだ。
いつ来るか、誰も分からない。
そんな事を思っていると、後ろからコナーが声をかけてきた。
「おや、コナーか。どうしたんだい?」
「アリッサさん、その…俺に、何か隠してないですか?」
……彼は、考えが未熟だが勘が鋭い。
「何もないよ」
そう言うと彼は、少し不安そうな顔をしながら去っていった。
私は、勘が鋭い訳ではない。
しかし今回ばかりは、私でも分かる。
"人生とは一度きり"
生きていれば、何度か耳にする無神経な言葉。
はたしてそれは本当なのだろうか。
本当なのだとしたら、"輪廻転生"という言葉はいったい何なのだろうか。
輪廻転生は、このチュートリアルが終わった後にする物語なのかもしれない。
……
今日からは、日記をつけることにするかな。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。