第4話

  3 ⌇ episode
154
2026/02/26 05:15 更新



   スチ の手が 、静かに差し出された 。


   さっきまで穏やかに笑っていたのに 、
   今は少しだけ真剣な目をしている 。


   周囲のざわめきが 、
   こちらへ寄ってくるのが分かった 。


   名家同士 。


   しかも決して近いとは言えない関係 。


   この手を取れば 、注目される 。


   ─── 分かっているのに 。


 スチ ・ ヴェリス
 俺と踊って下さいませんか 



   低くてやさしい声 。


   私は思わず視線を落とした 。


   彼の手は綺麗で 、指先まで迷いがない 。


あなた
 … みんな 見てます 



 小さく言うと 、スチは困ったように微笑んだ 。


 スチ ・ ヴェリス
 うん 、見てるね 



   まるで 他人事の様に 穏やかで 。


 スチ ・ ヴェリス
 でも 、君が嫌ならやめる 



   その言い方がずるい 。

   強引じゃない 。

   選ばせてくれる 。


   なのに 、
   彼の瞳の奥には確かな意志がある 。


あなた
 … 嫌じゃ 、ないです 



   そう言うと 、
   彼の目がほんの少し柔らかくなった 。


 スチ ・ ヴェリス
 ありがとう 



   その一言だけで 、胸が熱くなる 。


   私はそっと彼の手に自分の手を重ねた 。


   周囲がざわめいた 。

   はっきりと空気が変わる 。


   でも 、彼は動じない 。

   中央へ歩き出す背中が 、頼もしく見えた 。



           ✧


   音楽がゆるやかなワルツに変わる 。


   彼の手が私の腰に添えられた瞬間 、
   息が止まりそうになる 。


   近い 。

   さっきよりもずっと近い 。


 スチ ・ ヴェリス
 緊張してる ? 

あなた
 … 少しだけ 

 スチ ・ ヴェリス
 大丈夫 。俺に任せて 



 その言い方が 、少し大人だった 。


   優しい王子様みたいなのに 、
   ちゃんと “ 家を背負っている人 ” の声 。


   一歩 、踏み出す 。


   私の足が迷わないように 、
   ほんの少しだけ先導してくれる 。


   強くないのに 、絶対にぶれない 。


   くるり 、と身体が回る 。


   ドレスがふわりと広がり 、光が揺れる 。


   戻った瞬間 、
   彼の腕がしっかりと支えてくれていた 。


 スチ ・ ヴェリス
 上手だ 

あなた
 貴方が 、なんです 



   そう言うと 彼は小さく笑う 。


 スチ ・ ヴェリス
 君とだからだよ 



   その言葉に 、胸が跳ねた 。


   周囲の視線が痛いほど集まっているのに 、
   今は彼しか見えない 。


   ステップが自然と合っていく 。


   呼吸も 、タイミングも 。


   初めて踊るはずなのに 、
   どこか懐かしい 。


   彼の瞳が、真っ直ぐ私を見つめる 。


 スチ ・ ヴェリス
 安心して 。
 今夜は 、ちゃんと隣に居るから 



   その一言で 、
   不安がすっと溶けていった 。


   音楽が高まり 、最後のターン 。


   彼の腕に支えられて止まったとき 、
   胸の鼓動がうるさいくらい響いている 。


   スチ は優しく微笑んだまま 。

   けれど 、その目はどこか大人で 。


   私はきっと 、
   今この瞬間から ───


   〝 彼を特別だと 思い始めていた 。 〟



 れ お な
 私情で遅い時間帯での更新失礼します 😑 
 急いで書きましたが 、色々仕込んで 
 居たりするので 文脈がおかしくても 、
 お気にならさず 😌🤍 
 れ お な
 たくさんのご反応本当に 
 ありがとうございます 🥹‎💞 






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