絵「ていうか、あなたちゃんの家って学校のすぐ近くだったよね?」
『はい!』
絵「アンタ、ここまで届けに来させたわけ!?」
『あ、いや、その((
絵「バカじゃないの?ここ、反対方向なのに…。」
『私が来たくて来ただけなので、彰人くんは悪くないですよ!』
絵「え、名前呼び…?」
『アハハ😅』
絵「あなたちゃん。一つ聞いて良い?」
『はい。』
絵「これからも彰人の弁当持ってくるってこと?」
『まぁ、約束したので。』
絵「んー…、ならさ、コイツ、あなたちゃんの家に置いてってよ。」
彰「ペットみたいに言うんじゃねぇよ。」
『置いておく?』
絵「簡単に言えば、同居。」
彰「は?絵名、本気で言ってんのか?」
『ど、同居…!?』
絵「だってさ、夜ご飯、あなたちゃんの家で食べるんでしょ?」
彰「まぁ、そのつもりだけどよ。」
絵「それに、お弁当毎日持ってきてくれるわけじゃん?」
彰「おう。」
絵「ならさ、一緒に住んだら手間省けるんじゃないって。我ながら良い案だと思うんだけど。」
彰「俺は男で、コイツは女だぞ?」
絵「流石にそれくらいはわかる。え、アンタ、(なえ)ちゃんに手出すつもりなの?」
彰「なわけねーだろ。」
『私は良いですけど…。部屋もお客さん用の部屋がありますし。』
絵「ほら!あなたちゃんもそう言ってるし!それに、朝昼晩、あなたちゃんのご飯が食べれるんだよ?一石二鳥じゃない?」
彰「一石二鳥って…。お金のこととか色々あるだろーが。」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!