帰り道。
私は裏道さんに電話をかけながら歩いていた。
死んだような声色。
やはり相当疲れているらしい。
ではまた、なんて言って電話を切る。
別に冷たくもなんともないはずの風が、何故か身に沁みた。
407号室。
ここが私の部屋。
真上の507号室。
そこが裏道さんの部屋。
その真上の607号室。
ママトゥギャ関連産業の人が住んでいることはわかっているが( 顔に見覚えがあった )、誰なのかまではわかっていない。
そしてあまり友好的そうな人ではなかった。
合鍵は持っているし、個人チャットでも先に入っててくださいと伝えたからいるはずだ。
誰かいてもいなくても「行ってきます」と「ただいま」は言う主義だ。
ひょこっと顔を出してきた裏道さん。
…… なんか若干 …
そう言いながらも顔の赤い裏道さん。
呂律も回っていない気がする。
そうこうしているうちに裏道さんは廊下に出てきて、なぜか私に寄りかかってきた。
マジなんで?????
情緒だけじゃなくて言動も終わってる。なんで酔ったんだこの人。
は、潰れるんだけど。
この筋肉お化け … !!!!
ちょっっとわけがわからないことに裏道さんが寝落ちしたので、私は なけなしの力を振り絞って裏道さんをリビングまで運んだ。
ソファに載せようと5分くらい格闘して成功したけれど、これは筋肉痛 必至だ。あと絶対腰痛めたこれ。
普通に考えて、裏道さんが酔い潰れるなんてありえない。
だって超絶強いよ?? お酒。
毎日ビール数本は当たり前、他人の呑む量の管理もできる。
なのに酔うって。
そっと、私はキッチンの方を見た。
ソレの封はあいていた。
やらかしたわこれ。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。