…何だ、このテンション
いや今に始まった事ではないんだろうけどさ
なかなかいい音と声が診察室内に響いた。
ふざけたり、かしこまったり、ふわふわしたり
頻繁に全く違う人間が中で入れ替わってるかのようだ。
意味ありげに、かちゃりと眼鏡のブリッジ部分を中指で押し上げた。
ピンでまとめられた十枚ほどある書類をきりやんが俺に手渡した。
それを見てスマイルは俺のもとに歩いてきて手元を覗き込んだ。
所々黒色のシミができていて、そもそもの話何が書いてあるかが一目見たときから分からなかった。
真ん中あたりに円形の図形が見られる事から、恐らくここに円グラフとしてその種族の遺伝子の割合などを可視化しているんだろう。
二枚目三枚目も同じような結果だったため、諦めて資料を放棄した。
ペラペラと俺が放棄した書類をめくりながら睨めっこをしているスマイルに、きりやんがそう言い切る。
きりやんは後ろでスマイルが二の足を踏んで拒否権を主張するのを無視し、白衣の内ポケットから白色のカードと何かの鍵を出した。
そして、俺にそれを差し出した。
こんなぶっ壊れ性能のカードを俺なんかに渡してしまって良いのかと、一瞬きりやんを疑った。
というか、何でこんな代物をきりやんが持ってるのだろうか?
その言葉に、手に握らされた鍵を見た。
銀色の鍵についた黄色のタグには973という文字が刻まれている。
不貞腐れつつ、スマイルが答えた
チリン、とまた聞き覚えのある鈴の音がして
ひらひら手を振るきりやんを最後に視界が暗転した。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。