第33話

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2025/09/30 08:11 更新
きりやん
ほい結果出ましたよー
スマイル
おーパチパチパチ
きりやん
ドンドンパフパフー
葉弦




…何だ、このテンション


いや今に始まった事ではないんだろうけどさ





きりやん
んで、結果なんですけど
きりやん
単刀直入に言わせていただくと、貴方は_____…
葉弦
っ…












きりやん
人間ではありません☆
葉弦
スマイル
バチンッ
きりやん
い"った"ぃなぁ!?
葉弦
オォゥ


なかなかいい音と声が診察室内に響いた。


きりやん
……
きりやん
…担当医に向かって暴力なんて…ッ(泣)
スマイル
被害者ヅラすんな
葉弦
辛辣だなオイ



きりやん
はい、では気を取り直して
きりやん
シャークんさんの種族判定結果は、一応は出ました。
葉弦
(やっぱ情緒おかしいなコイツ)


ふざけたり、かしこまったり、ふわふわしたり


頻繁に全く違う人間が中で入れ替わってるかのようだ。



スマイル
それで、どうなった?
きりやん
…実は、難しい結果になってしまいまして
葉弦
難しい結果?

意味ありげに、かちゃりと眼鏡のブリッジ部分を中指で押し上げた。


きりやん
シャークんさんの血液を読み込んだ機械が誤作動を起こしてしまったようで
きりやん
少々判定結果用紙の表示が見づらくなってしまっていて。バサッ


ピンでまとめられた十枚ほどある書類をきりやんが俺に手渡した。


それを見てスマイルは俺のもとに歩いてきて手元を覗き込んだ。



葉弦
…これは
スマイル
…確かにムズいな
きりやん
でしょう?

所々黒色のシミができていて、そもそもの話何が書いてあるかが一目見たときから分からなかった。


真ん中あたりに円形の図形が見られる事から、恐らくここに円グラフとしてその種族の遺伝子の割合などを可視化しているんだろう。


二枚目三枚目も同じような結果だったため、諦めて資料を放棄した。





葉弦
…じゃあ、結局俺ってなんなの
きりやん
それについてなんですけど
きりやん
まぁ、正直ここまできてもらっといて「種族分かりませんでしたぁー」流石に俺としても悔しいので
きりやん
今日中に資料は解読して、またまとめ直します。
スマイル
できんの?この量この難易度で
きりやん
舐めないでいただきたい
葉弦
おーかっこいい


ペラペラと俺が放棄した書類をめくりながら睨めっこをしているスマイルに、きりやんがそう言い切る。


きりやん
まぁ最悪スマイル呼べばいいし。
スマイル
俺は手伝わないが
きりやん
えー!何でですかちょっとぐらいいいじゃないですか
スマイル
やぁだよ
葉弦
(あ、これ長くなる奴だ)
きりやん
こないだ書類やってあげたでしょう
スマイル
あればきりやんが勝手にやっただけだろ
きりやん
でも助けられたのは事実じゃないですか
スマイル
別にあれまだ期限残ってたし
きりやん
残り三時間とかだったでしょう
スマイル
残り一時間になったらやる予定だったんだよ
きりやん
でもどっちみち助けられたのは事実じゃないんですか?
スマイル
いや、そんなことはないね
葉弦
……











葉弦
(俺、逃げていいかなぁ)
きりやん
あ、じゃあとりあえず資料は私とスマイルさんでまとめておくので
スマイル
おい俺まだやるとは言ってねぇぞ
きりやん
シャークんさんはこの国を観光でもして楽しんでください


きりやんは後ろでスマイルが二の足を踏んで拒否権を主張するのを無視し、白衣の内ポケットから白色のカードと何かの鍵を出した。


そして、俺にそれを差し出した。
葉弦
観光…?
きりやん
はい
スマイル
ちょ、おい聞けって
きりやん
そのカードは、この国専用の特別優待券みたいなものです
きりやん
出店の方々に見せれば大抵のものはタダ同然で振る舞ってくれると思います
葉弦
…まじかぁ

こんなぶっ壊れ性能のカードを俺なんかに渡してしまって良いのかと、一瞬きりやんを疑った。


というか、何でこんな代物をきりやんが持ってるのだろうか?

葉弦
(…いや、今に始まった事じゃないか)
きりやん
鍵の方は、とあるホテルの一室のものです
きりやん
もし宿泊をする事になったり、観光に飽きたらお部屋でくつろいでください。
きりやん
部屋番号はキーに書いてある数字の通りです


その言葉に、手に握らされた鍵を見た。


銀色の鍵についた黄色のタグには973という文字が刻まれている。


葉弦
え、道とかって
スマイル
Nakamuが渡してきた道案内中身あるだろ
スマイル
あれみたいな感じで情報が書き込まれてるから、自分で読んで

不貞腐れつつ、スマイルが答えた


きりやん
時間になったらお呼びします
きりやん
では、よい日を
葉弦




チリン、とまた聞き覚えのある鈴の音がして


ひらひら手を振るきりやんを最後に視界が暗転した。



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