第103話

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2,218
2024/03/27 16:39 更新
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2年生は全員卒業式に出席して 、在校生からの歌を送るらしい 。



流 「 授業潰れんのはありがたいけどさぁ 、全編見なあかんのしんどいよな 。」



「 2時間ほぼ座ってるもんなあ 。」



もう少しで卒業式ということで 、午後の授業時間は歌の練習や式設営の時間に当てられる 。喜ぶ気持ちとめんどくさい気持ちが半々でたるんでしまう 。




「 … あ 。」



流 「 ん ? … あぁ謙杜とみっちーね 。」




体育館中の女子生徒が視線を寄せる先には 、周りとは群を抜いたオーラを放つ謙杜と道枝くんがいて 。そこらにはいないイケメンなんだと再確認 。





「 … うわっ道枝くん … 。」



流 「 元気やな〜 。」



見すぎたせいか 、ふとこちらを向いた道枝くんと目が合った 。ぱあっと目を輝かせて長い腕を振り回しぶんぶん手を振ってくる 。こっちにまで生徒たちの視線が向けられるから切実にやめてほしい 。



そして道枝くんの手を振る先を見た謙杜と 、ばっちり視線が交わった 。ドクン 、と心臓が跳ねる 。






いつもみたいに眩しいくらいの笑顔を見せて 、私に手を振るのを想像してしまって 、




謙 「 … 。」





だけどなんでもないような顔をしてサッと目を逸らした謙杜が 、現実だった 。






流 「 え 、今謙杜こっち見てたやんな ? 」




「 … 。」



流 「 … あは 、感じ悪〜 、機嫌悪いんかなぁ 、」




呆然とする私を見て 、取り繕った不自然な声のトーンで明るく振る舞うりゅちぇ 。気を遣わせてしまっているのは重々承知で 、なのに私は少しも笑えなかった 。





謙杜が何を思って 、何を見ているのか 。分からないことが怖かった 。







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いつしか私が謙杜を避けていた時期があった 。





「 謙杜 、」



謙 「 ごめん職員室呼ばれてるから 、」



「 ちょっと待ってや 、私なんかした ? 」




まさか立場が逆転するなんて思いもしなかった 。もう生徒がほとんど出て行った体育館の出口で 、さっさと行こうとする謙杜の腕を掴んで止める 。





謙 「 … 俺に構ってる場合なん ? 」



「 … え ? 」



掴まれた腕に視線を落としたままそう言った謙杜の声は辛そうに聞こえた 。




謙 「 高橋くん 、もう卒業すんねんで 。」



私の手は振り払われて 、無力に垂れ下がる 。体育館を出ていく謙杜に続いて微妙な顔をした道枝くんも出て行った 。







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