第7話

最強
10
2026/07/28 23:25 更新
その時、校舎の方から少し離れた場所を歩いていた男子生徒が、こちらの騒ぎに気づいて足を止めたのが見えた。

……が、その男子生徒を見た瞬間、凛が「あ」と声を漏らし、途端に気まずそうな顔になる。
男子生徒
男子生徒
おい瑠樹ー、また朝から門の前で騒ぎを起こしてんのか?
男子生徒
男子生徒
ん?……おい!!凛!!
八雲 凛 (やくも りん)
八雲 凛 (やくも りん)
げっ、マズい。見つかった!
東雲 レナ
東雲 レナ
え? 凛先輩、どうしたんですか?
しかし凛はレナの質問に答えることなく「じゃあな二人とも!また後でな!」とだけ言い残し、もの凄いスピードで校舎の裏へと走り去ってしまった。
南風 ルキ 
南風 ルキ 
……ハハッ行っちゃった。凛先輩、いっつも元気で明るいんだけどさ……なんていうか、その、すっごいアホなんだよね
東雲 レナ
東雲 レナ
アホ、ですか……?
南風 ルキ 
南風 ルキ 
うん。座学のテストはいつも赤点だし。
南風 ルキ 
南風 ルキ 
でもね、魔法を使わせたらこの学園で一番強いんだよ!めちゃくちゃカッコいいんだから!
学園、最強。
 
その言葉の重みに、蓮那はまた、じわじわと自分の小ささを突きつけられるような気がした。

そんなすごい人たちがいる場所に、本当に私は馴染めるのだろうか。
南風 ルキ 
南風 ルキ 
あ、そうだ! 教室まで案内するよ。行こ、レナちゃん!
蓮那の不安を吹き飛ばすように、瑠樹が再びその手を引く。
 
引っ込み思案な自分をぐいぐいと引っ張っていく瑠樹の体温が、冷え切っていた蓮那の手に心地よく伝わってきた。

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