朝ご飯を食べて制服に着替え、いよいよ学校へ向かう。
いつもは黒塗りのベンツに乗って登校するのだが、今日は門の前に車は止まっていない。
ボディーガードはまだ来ていない。
いや、来ない方がいっそいいのでは?
このまま来ないのなら、私は歩いて学校に行ける。
登下校の道を、窓越しにではなくて実際に歩いてみるというのは、意外と新鮮でいいかもしれない。
すこしむっとしながら2分程待つと、遠くからブーーーンとバイクの音が聞こえてきた。
そう思うもむなしく、バイクは音を響かせながら確実にこちらに向かって来ていた。
ようやくバイクの姿が見えてきた。
思わず、眉根を寄せてしまう。
一台じゃ、ない?
六台のバイクが、あなたの下の名前の前に止まった。
その中で先頭で走っていた金髪の男性が、にこりと笑って言った。
ツンデレ。
ツンツンデレデレっていうのは、今までにも何度か言われたことがある。
でも、そのたびに否定してきた。
この!
私が!
ツンツンしてるわけないでしょう!?
デレデレしてるわけないでしょう!?
あなたの名字(金持ち風でよろ)家にふさわしい口調で、態度で、今まで接してきたわ。
その私が!
ツンデレですって!?
金髪の男性により無理やりバイクに乗せられ、ヘルメットを被らされ、
私の悲鳴を残してバイクは発進した。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!