第69話

陸拾捌
151
2026/09/10 06:00 更新



あなた
で、なんでここに
fsm
いやーあなたちゃんには言ってなかったんすけど、オレって死ねなくて
fsm
一度死ぬことはできても、すぐ復活しちゃうんすよねぇ
あなた
な…


嘘だろ。

思ってみれば、あれだけ一緒にいたのに私は彼の年齢は知らなかったし、私が小さい時からずっと彼の容姿は全く変わらなかった。

元から人間ではないことは知っていたし、私自身もそうだからあまり疑問に思わなかったけど、今思えばそれにしても彼は普通ではなかったとわかる。


fsm
いやーそれにしてもほんと久しぶりですねぇ
fsm
とやさんも
あなた
ほんと……え

とやさんも…???


私に向かって優しく微笑んだあと、刀也を見てにやりと笑う師匠。

知り合い?いやそんなわけはない、だって刀也が生まれた頃にはとっくにガクは死んでるはず。


knmc
うん、久しぶりガッくん
fsm
楽しそうでなによりっす
あなた
ど、どういう
fsm
あれぇ、知らないんすか?
fsm
刀也さんはオレの相棒っすよ











約1000年前





fsm
えぇ?出て行くんすか!?
knmc
うん、で少し旅したらもっかい赤子からやり直そうと思って
fsm
まじか〜、ま、会えなくなるわけじゃないしいいんすけど
knmc
そりゃあね、ちゃんとあなたの泣きっ面を見に来ますよ、僕が居なくて寂しがるあなたのね
fsm
おっ、期待してていいっすよ?
knmc
そこは泣かないとか言えよ


森の中に建った、立派な屋敷。

其処には、ひとりの狐の神と、ひとりの不老不死の少年が住んでいた。

様々な種族が生きるこの世界では、人の形をした、人でない彼らは特段珍しいと言いうわけではなかった。

……ただふたりとも、深く関わらなければ、普通の人間に見えるというだけ。




fsm
いってらっしゃい
knmc
いってきます



無駄に大きな家にひとり取り残されたガクが魔女の少女に会ったのは、彼が出て行ってから2年ほど経った頃だった。





あなた
…?
fsm
あれ〜、迷子っすかね?


この頃、2歳のあなたはひとりで伏見の森に迷い込んでしまっていた。

たったひとりで沢山歩いたであろう薄汚れた小さな身体は、もう体力も限界に見えた。

fsm
キミ、お名前は?
あなた
……あなた
fsm
あなたちゃん、ここまでひとりで来たんすか?
あなた
…うん
fsm
んー、お家の場所、わかります?
あなた
…ないよ
あなた
わたし、捨てられちゃったの
あなた
魔女だから
fsm
…そっすか
fsm
…あなたちゃん





fsm
オレとくる?

神の気まぐれ、と言ってしまえば、それで済んだのだろう。

だが、彼よりは幾分も大きいが、飴玉のように輝く、彼そっくりの翡翠にひかる瞳を見たら、どうにも放っておけなくて

…それに、無駄に広い部屋に、ひとりきりというのは、久しぶりになると前よりも寂しく感じてしまったから








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