第2話

可能性
281
2024/11/06 07:00 更新













私達が外に出たら、そこは地獄の様だった。

悲鳴が聞こえる。炎が燃え盛る音が聞こえる。

街が、国が、地に落ちる音が聞こえる。

私は目にして疑った。

まるで、別世界の様だからだ。

現実からかけ離れ過ぎている光景に

まだ実感が湧かない。

でも、城を見たらわかった。

これは紛れもない現実だ。

誰かが撒いた戦争の種。

怖い。怖い。怖い。

ただひたすら怖かった。

人が死んでいく。

物が無くなっていく。

まちが消えていく。







あなた
ハルト……城……城が…
ハルト
……残念ですが、きっと…
お母様達は…
あなた
そ、そんな訳…ないでしょ…?
あなた
だって…だって!!
さっきまで喋ってたんだよ!?
そんな訳、そんな訳!!
ハルト
お嬢様!!
ハルト
…私だって親を争いで無くしました。
気持ちは分かります…
あなた
…ハルトは悔しくないの…?
ハルト
……悔しかったですよ笑…
何も出来ない自分に
心底うんざりした…
あなた
……
ハルト
でも、思ったんです。
何時までもくよくよしてられない。
あなた
…ハルト…
ハルト
……すみません…自分話をしてしまいました
あなた
ううん…大丈夫。
あなた
……ハルトはその後どうしたの…?
ハルト
………お嬢様の所に仕えるまでは、
きっと、その辺の路上にいた筈です
ハルト
何も持っていない私に…手を差し出してくれた人___
それが、今の主です。







正直に言うなら、

ハルトも怖かった

この状況で冷静な判断を下す彼が

でも違う、それが正しいのだ。

私は正しく在りたい。





















あなた
ハルト、私思うの
あなた
この国を…めちゃくちゃにした奴にさ



























あなた
仕返ししよう!!




































ハルト
…お嬢様らしいご決断ですね
あなた
……それって褒めてるの?それとも貶してる?
ハルト
素直に受け取ってください(^^)
あなた
あ、はい…
ハルト
それで?
詳しい事は決めていらっしゃるのですか?
あなた
………キメテナイ…
ハルト
でしょうね(◜ᴗ◝ )
あなた
酷ッッ!?
ハルト
普通でしょう( ˙-˙)
あなた
あ、はい
ハルト
では、今後の作戦について
安全に語れる場所が必要ですね
あなた
そうだね
ハルト
拠点が欲しいですね…
何処かにないでしょうか…
あなた
う〜ん……あ!
海の中は?
ハルト
はい?
あなた
海の中だと綺麗だし、
絶対見つからないよ!!
ハルト
頭がおかしくなって
しまいましたか( ◜ω◝ )
そもそも息出来ませんよ。
あなた
そっか( ´・ω・`)
ハルト
拠点にロマンを求めないでください
あなた
はぁい…























ハルト
ふむ……
ハルト
森の中は如何でしょう?
ハルト
彼処なら森は深いですし、
見つかる心配も2ヶ月くらいなら
無いでしょう
あなた
でも、彼処は立ち入ってはいけないと…
ハルト
今は非常事態です。
なら、入っても良いのでは?
あなた
とか言って、拠点立てた後、
食料取りに行って帰るルート忘れそう…
ハルト
現実にならないように
頑張りましょう( ◜ω◝ )
あなた
はい( ; ; )

























あなた
ねぇ…ハルト?
行き過ぎじゃない…?
ハルト
いえ、これくらい行かないと
見つかってしまいます。
あなた
そうかな…?


















あなた
ねぇハルト…
やっぱり行き過ぎだよ…
あなた
変な音聞こえてきたよ…?
あなた
少し戻ろうよ…














あなた
ハルト……?


















あなた
何処に_______














































































ハルト
ガッ…ッ…!!






















あなた
ハ……ハル…トッ……?
































ルイ
死を。死を。
無慈悲なる王女に、
死を。







あなた
ヒッ…!
あなた
ダッッ

































ルイ
……あァ、
面ドうダ。メン倒ダ。
ルイ
オイカケルノモ
メンドウダ。
ルイ
サッサトオワラセタイ。





























あなた
ハァッッ…ッハァッッ!!




























頭が追いつかない。思考回路が可笑しくなりそうだ。
何が起きた?何があった?どうして____________

































ハルトは刺された……?














あなた
…ッ!













考える時間も与えてくれない。
ただ逃げることしか出来ない。
ハルトを刺した奴から。



















今私の事を追いかけてる奴は。
『無慈悲なる王女に死を』

的な事言ってたけど…



















王女……?














私の事を…………殺すのが目的…?
























あの人の顔は見えなかったけれど……
声的に、あった事は無い。

















面識が無いのに殺す……?

何故?






















恨みでもあるのかな…
でも面識ないし………























いや、今は逃げよう。




ハルトが無事だと信じて。


































それから
約15分後
あなた
ズザァ……
あなた
…っ!!
そこはかなり急斜面の崖だった。




どうやら追い詰められたらしい。




















この下は海で、今日は割かし波は大人しい。















ルイ
やっっっと、
おいついた。
あなた
………
ルイ
ほら、来てよ。
殺してあげるからさ。
そいつは、ジリジリと近づいてくる。
















一歩。また一歩と。




















私はハーバート王国の王女。













それなりの覚悟は持っている。














でも不安はある。当たり前かも知れないけれど。
















あなた
………ハーバート王国王女、
此処に居たり。
あなた
…トッ
ルイ
……は…
あなた
ニコッ…
























あなた
ザブン














































ルイ
…………


















生きるのを諦めた訳じゃない。
可能性を信じたのだ。












私はこの極僅かな可能性を信じたい。

















いつか
























私の代わりに、ハーバート王国を変えてくれる。











そんな勇者に。






















私の全てを託そう。























地位でも、名誉でも、なんでもあげよう。


















だからお願い。どうか
























私と、この王国を守って。





































プリ小説オーディオドラマ