理由になってねぇ、と思いながら上司に当たる
柱に歯向かうことなどできずお茶を淹れる
こんなことしてたら師匠の元に1番で着くことが
叶わなくなってしまう
そんなことを考えていると自分の情けなさに
目頭が少し湿ったのがわかった
涙を見られたくなくて下を見てたら
言われてしまった
いやあなたのせいだよと
八つ当たりみたいなことをしそうになった
いつのまにか目頭で止まっていた雫は
私の頬までつたっていた
無一郎は私の涙を愛おしいそうに拭いた
いきなりのこと頭がパンクしてしまった
ただでさえこのは人のせいでうまく頭が
回っていなかったというのに
そう言って全速力で走る少女からは微かに
藤の花のいい香りがした
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。