第6話

嫉妬/🎩OC+🦌
221
2026/07/31 14:01 更新

 ※🦌とOCは何の関わりもありません

 Husk side
Alastor
Hi, Husker!
仕事の調子はどうですか?
Husk
あ? 別に何とも……
俺に何の用だ?
Alastor
おやおや、そんなに怯える必要はありませんよ♪︎
貴方のバーで少々休息を取りに来ただけです

 そう言えば、Alastorは俺から目を離さずに椅子へ座る。
Husk
そうかよ、
何かいるか? Boss
Alastor
結構デス!
先程ティータイムは済ませたのでね
Husk
じゃあ俺のとこに来る必要ねーじゃねぇか
お前への小話なんて持ち合わせてないぞ
Alastor
談笑目的ではありませぇーん!
貴方に関して、少しばかり気になることがあるのですよ!
Husk
……俺のこと……?

 まさか、irresとのことか……? ぴく、と眉が動き、Alastorを睨むような目付きになる。

 俺は、irresと付き合っていることは誰にも話していない。……irresは、何人かに言いふらしているが。だが、とにかくAlastorにはバレたくなかった。天下のRadio Demonの掌で踊らされている俺に、恋人がいるだなんて知られたら、彼女の命も危ない。

 ……命の危機に晒されるのは、ヤツの気分次第だとは思うが。
Husk
……俺の何が気になるっていうんだ
Alastor
Hmm、貴方が答えてくれるかはわかりませんが……

 ごくん、と固唾を飲んだ。


Alastor
Huskerは、顎を撫でられると喉を鳴らすのです?
Husk
は?

 あまりにも馬鹿馬鹿しい発言に、脳の処理が遅くなった。
Alastor
HAHA!! これは試してみるのが一番、というところですかね!!

 すると、彼は問答無用で俺の顎下をする、と撫でる。なだらかな手付きに多少驚くが、すぐに俺は呆れたようにため息をつく。
Husk
俺がお前ごときに鳴らすと思ってるのか
Alastor
ほう? なら他の人には鳴らすのですか?
Husk
……そういうことじゃねぇよ

 危なかった。喉の上までその名が出そうになり、何とか飲み込んだ。
Alastor
だが、『鳴らす』ということは、鳴るんですね?
Husker~……?
Husk
……sh*t……

 これ以上拒んだら、更に疑われそうだ。厄介なことに発展しかねない。

 俺は仕方なく顎下を撫でられる感触を受け入れた。特別気持ちが良い訳ではなかったが、彼の望み通りに喉を鳴らす。

 ゴロゴロゴロ……。
Alastor
……あまり聞いたところで嬉しいものではないですね
Husk
じゃあ2度と鳴らしにくるんじゃねぇぞ
Alastor
ええ! 是非ともそうしましょう!!
……おっと、時間だ、私はここでお暇させてもらうよ♪︎
Husk
ああ、さっさと行ってくれ

 Alastorは席を立てば、そのまま影となって消えていった。急に顎を撫でてくるとは……本当に、彼の考えていることはこれっぽっちもわからない。

 さて、そろそろ店終いの時間だ。俺はバーからその身を降ろし、その場を後にした。

 最後に、あいつの様子を見てから寝よう。




Husk
irres、入るぞ
irres
……うん

 ガチャ、と扉を開けた。
Husk
……相変わらずだな、扉閉めとけって言ってるだろうが
irres
ん~……

 生返事しか返ってこない。

 さっきからirresはずっとベッドに寝転がり、俺に背を向けたままでいる。
Husk
お前、いつもよりだらしねぇな
ちょっとは顔を見せてくれよ
irres
……
Husk
……irres?

 普段とは違うirresの様子に、何処か不安を抱く。俺と話そうとしない。何かあったのだろうか。

 俺は静かに彼女のいるベッドへ腰掛ける。
Husk
……なぁ、誰かと喧嘩でもしたのか?
irres
……してない
Husk
俺と、話したくないのか?
irres
……
irres
……よく、わかんないの

 すると、irresは重々しく体を起こした。のそのそと俺に近づくと、弱々しくしがみつくように抱き締めてくる。

 俺は思わず口元が緩み、ポンポン、と彼女の頭を撫でる。
Husk
なんだ、甘えてほしかったのか?
irres
……そういうことじゃない
Husk
じゃあ何だ、何か不安なのか?
俺に話してみろ、な?

 irresの声は、何処か戸惑っているようにも聞こえる。俺はなるべく優しく語りかけ、安心させるように頭を撫で続けた。

 暫くすると、irresはようやく口を開いた。
irres
さっき、あんたのバーに行こうとしてたの
irres
そしたら、Huskが喉鳴らしてるとこ、見ちゃって……
Husk
……ん?

 予想外な発言に、脳の処理が遅くなった(2度目)。
Husk
……それがどうしたっていうんだ?
irres
だって……、

 irresの抱き締める力が大きくなる。
irres
……Husk、うち以外のヒトに喉鳴らしてたから……

 胸がじんわりと熱い。彼女のくぐもった声を、俺は聞き逃さなかった。
Husk
……ハッ、irres、そんなかわいいことで悩んでたのか?
irres
なっ……、べっ、別に好きで嫉妬してた訳じゃ……!

 irresは、きっ、と下から俺を睨み付ける。だが、この間とは違う、今にも泣きそうな目をしており、不覚にもかわいいと思えてしまった。
Husk
安心しろ、irres
あれはわざと鳴らしてたんだ
irres
わざと……?
Husk
ああ、
あいつはちっと面倒なヤツだからな、仕方なくやってやったのさ
irres
なんだ、そうだったんだ……

 彼女はほっと胸を撫で下ろす。
irres
……うちが撫でるときは、ちゃんと気持ちよくて鳴らしてるの?
Husk
勿論だ、お前は手先がいいからな

 さら、と髪を撫でてやる。すると、irresは俺の顎下へ手を伸ばし、撫でてきた。

 ……やはり、彼女に撫でてもらうのが一番いい。俺は自然と目を細め、喉を鳴らす。
irres
……ふふ、しっぽも立ててかわいいね
Husk
やめろ、irres
……まぁ、気持ちが良くて最高だけどな

 ようやく笑顔を見せたirresに、こちらも思わず顔がほころぶ。彼女の笑顔は本当にあどけなくて、孫のような愛おしさも感じる。

 彼女は恋人というよりも、家族のような存在、と称した方が合っているのかもしれない。
Husk
じゃあ、もういいな?
俺はそろそろ寝るぞ
irres
うん、おやすみ、Husk
Husk
ああ、おやすみ

 irresを寝かせ、毛布で彼女の身を包む。

 此方を見てくる彼女の頭を撫で、そこから柔らかな頬へと手を滑らせる。そのまま顔を近づけ、おやすみのキスを交わした。

 irresの部屋を後にする。彼女も嫉妬心を持っていたことに、少しばかり嬉しさを感じた。

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