初めての投稿ということでミスがあっても気にしないで読んでくださると嬉しいです!
私はいつも運がない。
別に不幸体質ってほどでもないけど。
良いところも、悪いところも、何の個性もない。
私になにか力があったら変わってたのかな…
なんて、今考えても仕方がないことばかり頭に浮かぶ。
もっと遠くに…走らなくちゃいけないのに…!
空はとっくに暗くなり、山道は辺りが見えない。
お母様に頼まれていた買い物に出かけた。時間がかかってしまい、空は橙色に染まっていたけれど、少し寄り道したくなったんだっけ…。買ったお菓子を食べながらいつもより遠回りの山道を歩いていた。
暗くなってきたので急いで帰らないとと思ったその時、木の向こうからガサガサと音がして…
木の影から出てきたのは普通の男性より大きな体で、頭には黒い角、鋭く光る爪、不気味に笑った口からのぞく牙。
幼いころ読んだ本に出てきた悪役、鬼にそっくりだった。本当にいたなんて。
呑気な考えを捨てて走り出す。逃げないと…あの本の通りだったら私はこのまま…
殺されちゃう…!!
どれくらい走ったのだろうか。家まではまだ遠い。もし家に逃げたら、家族も危機にさらされることになる…。
木の根っこに躓き、地面に倒れる。
必死に走っていたこともあってか、すぐに立ち上がれない。
膝からは血が流れていて、それを見るとさらに痛みが増してきた気がする。
すぐに鬼が追いついた。
まだ力が入らない。
こんな山の中じゃ助けも来ないだろうな…。
死ぬならいっそ楽にがいいな…。
そう思い静かに目を閉じる。
鬼のが近づいて来て、私の体を軽々と持ち上げた。
鬼の鋭い爪が私の首にあたる。
どうしよもないくらい無個性の私の最期がこれなら、悪くないかも…。
鬼が腕を振り上げる。そして、私の首に鋭い爪があたる…
ことはなかった。
誰もいないはずの山の中で静かに、でも確かに声が聞こえた。
目を開けると目の前の鬼は驚いたような顔をしていて、その首はストンと落ちた。
私の体は地面に落とされる。
何が起こったのか分からなかった。足音も立てずに現れたその人は鬼の攻撃が私の首を切る前に鬼の首を落としてしまったのだ。
兎にも角にも、命の恩人にお礼を伝える。
しかし、その人は私の方を見向きもせずに刀を鞘に収めていた。
少しうねった、不思議な刀だった。
沈黙の時間を破ったのはその人と同じ服を着た人だった。
話し方から部下のような人なのだろう。
私を見てそう言った。
聞いたことのない組織だ。まあ、今まで鬼の存在も信じていなかったのだから当たり前だが…。
伊黒と呼ばれたその人はそう言って歩き始めた。
部下と思われる人も小走りで行ってしまった。
まだちゃんとお礼も伝えていないのにっ!!
そう思い伊黒という人に向かって走り出し、手をつかんだ。
ぱしんっと私の手が弾かれ音が響く。
こんなことされると思わず、動揺してしまう。
顔を上げるとその人は驚いたような、私ではないもっと遠くの景色をみているような顔をしていた。
と思ったのも束の間、すぐに元の表情に戻り先程よりも速いスピードで行ってしまった。
そう言い、2人とも姿が見えなくなった。
静寂が私を包む。
全部、全部嘘だったんじゃないかと思う出来事だった。でも、赤い血の流れた膝の痛みが夢じゃないことを表していた。
家に帰るまで鬼も出ず、無事にたどり着く事が出来た。
お母様にはボロボロの姿で、凄く驚かれた。
鬼に襲われた事を説明したが、詳しいことは言わなかった。
すぐにお母様が傷を治療してくれ、寝床についた。
目を閉じる。あの出来事が鮮明によみがえってきて寝付けない。
あの人の顔も。私を助けてくれた横顔も、手をはわれたときの動揺した顔も…。命の危機にあったのに、思い出すのはあの人の顔ばかりだ。
これが恋、なのかな…。
無個性の私が初めて体験した、夢みたいな出来事。
これは私の初めての恋、そして人生の話。
初めてなので機能を使いこなせてないです…。
ありがちな展開になってしまいました。このあとは急展開も入れていくつもりです。
ハッピーエンドではないと思います。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。