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第1話

あの夜
102
2025/12/03 14:25 更新


初めての投稿ということでミスがあっても気にしないで読んでくださると嬉しいです!























あなた
はぁっ、はぁ、……!
私はいつも運がない。
別に不幸体質ってほどでもないけど。

良いところも、悪いところも、何の個性もない。

私になにか力があったら変わってたのかな…

なんて、今考えても仕方がないことばかり頭に浮かぶ。
もっと遠くに…走らなくちゃいけないのに…!


空はとっくに暗くなり、山道は辺りが見えない。


お母様に頼まれていた買い物に出かけた。時間がかかってしまい、空は橙色に染まっていたけれど、少し寄り道したくなったんだっけ…。買ったお菓子を食べながらいつもより遠回りの山道を歩いていた。
暗くなってきたので急いで帰らないとと思ったその時、木の向こうからガサガサと音がして…
こんなところで1人かい?随分若い女だな…うまそうだ…
木の影から出てきたのは普通の男性より大きな体で、頭には黒い角、鋭く光る爪、不気味に笑った口からのぞく牙。

幼いころ読んだ本に出てきた悪役、鬼にそっくりだった。本当にいたなんて。

あなた
……っ!!!
呑気な考えを捨てて走り出す。逃げないと…あの本の通りだったら私はこのまま…

殺されちゃう…!!









あなた
はぁっ、…はっ………。
どれくらい走ったのだろうか。家まではまだ遠い。もし家に逃げたら、家族も危機にさらされることになる…。
あなた
でも…逃げないと……あっ!!
木の根っこに躓き、地面に倒れる。
あなた
痛った……。
必死に走っていたこともあってか、すぐに立ち上がれない。
膝からは血が流れていて、それを見るとさらに痛みが増してきた気がする。

ははっ、やっと諦めがついたか。
大人しくしていれば楽に殺してやるぜ?
すぐに鬼が追いついた。
まだ力が入らない。
こんな山の中じゃ助けも来ないだろうな…。


死ぬならいっそ楽にがいいな…。
そう思い静かに目を閉じる。





鬼のが近づいて来て、私の体を軽々と持ち上げた。
ほんとに静かになったな。
お前の人生はここで終わるって決まってたんだよ。俺の身体に吸収され、力となる。
まあ、死んだあとの話なんてどうでもいいか
鬼の鋭い爪が私の首にあたる。

どうしよもないくらい無個性の私の最期がこれなら、悪くないかも…。

鬼が腕を振り上げる。そして、私の首に鋭い爪があたる…



ことはなかった。
伊黒
蛇の呼吸 壱ノ型 委蛇斬り
誰もいないはずの山の中で静かに、でも確かに声が聞こえた。

目を開けると目の前の鬼は驚いたような顔をしていて、その首はストンと落ちた。

私の体は地面に落とされる。

あなた
は……?
何が起こったのか分からなかった。足音も立てずに現れたその人は鬼の攻撃が私の首を切る前に鬼の首を落としてしまったのだ。

あなた
あ、あのっ!
助けて頂いてありがとうございます。
兎にも角にも、命の恩人にお礼を伝える。

しかし、その人は私の方を見向きもせずに刀を鞘に収めていた。
少しうねった、不思議な刀だった。


隊士
伊黒殿!!
やっと追いつきました…。突然鬼の気配がすると言って走ってしまわわれたものですから、追いつくのが大変でしたよ…。
沈黙の時間を破ったのはその人と同じ服を着た人だった。
話し方から部下のような人なのだろう。
隊士
伊黒殿、もしかしてもう鬼を討伐なさったんですか?
流石です。とするとそちらの女性は鬼から逃げていたということですかね?
私を見てそう言った。
あなた
あ、はいっ!
もう少しで殺されそうだったところをこの方に助けていただきました。
隊士
無事で良かったです。
私たちは鬼殺隊というもので、先ほどのような鬼を討伐しているのです。
あなた
鬼殺隊…。
聞いたことのない組織だ。まあ、今まで鬼の存在も信じていなかったのだから当たり前だが…。
伊黒
おい、もう行くぞ。
伊黒と呼ばれたその人はそう言って歩き始めた。
隊士
ちょっ、伊黒殿!
…まあ今回は被害も少なかったですし、行きましょうか。
お嬢さん、この辺りにはもう鬼はいないはずですが暗いですし、お気をつけて帰ってくださいね。
部下と思われる人も小走りで行ってしまった。
あなた
ま、待ってください!!
まだちゃんとお礼も伝えていないのにっ!!
そう思い伊黒という人に向かって走り出し、手をつかんだ。
伊黒
…さわるなっ!
ぱしんっと私の手が弾かれ音が響く。
こんなことされると思わず、動揺してしまう。
あなた
ごめんなさいっ私ったら気安く触れてしまって…
顔を上げるとその人は驚いたような、私ではないもっと遠くの景色をみているような顔をしていた。


と思ったのも束の間、すぐに元の表情に戻り先程よりも速いスピードで行ってしまった。
隊士
す、すみません。伊黒殿も悪気はないと思うのですが…。
私もこれで失礼します。
そう言い、2人とも姿が見えなくなった。
静寂が私を包む。


全部、全部嘘だったんじゃないかと思う出来事だった。でも、赤い血の流れた膝の痛みが夢じゃないことを表していた。







家に帰るまで鬼も出ず、無事にたどり着く事が出来た。
お母様にはボロボロの姿で、凄く驚かれた。
鬼に襲われた事を説明したが、詳しいことは言わなかった。



すぐにお母様が傷を治療してくれ、寝床についた。




目を閉じる。あの出来事が鮮明によみがえってきて寝付けない。

あの人の顔も。私を助けてくれた横顔も、手をはわれたときの動揺した顔も…。命の危機にあったのに、思い出すのはあの人の顔ばかりだ。



これが恋、なのかな…。


無個性の私が初めて体験した、夢みたいな出来事。
あなた
あの方のこと、もっと知りたい。




これは私の初めての恋、そして人生の話。
初めてなので機能を使いこなせてないです…。
ありがちな展開になってしまいました。このあとは急展開も入れていくつもりです。

ハッピーエンドではないと思います。

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