第2話

門出
74
2025/12/03 16:02 更新
続きです。
あなた
お願いしますっ!!
ダメです。あなたの下の名前にそんな危険な事させられません。
あなた
そこをなんとかっ!!
あの出来事から数日たった今、私はお母様に頭を下げている。


もう何回も同じようなやり取りをしている。しかし、お母様も私も譲らず、話は進まない。
 
あの日のこと、そしてあの人のことを忘れられなかった私は鬼殺隊に入りたいと思うようになった。
もちろんそんな簡単な事ではないと分かっていたので、数日ほど鬼殺隊、そして鬼について調べ回った。


もう諦めようと思ったとき、家の棚から驚くものを発見した。
あなた
炎柱、手記…?
それはとても古そうな本で、『二十五代目 炎柱手記』と書かれていた。

鬼殺隊には階級があり、その一番高いものが柱と呼ばれるはずだ。

あなた
どうしてこんなものが家に…?
今まで鬼殺隊の事すら知らなかった私の家に、なぜ柱の手記があるのだろう。



もしかして…



あなた
お母様、私の家系は鬼狩り、炎の呼吸の使い手の血筋なんでしょ?
っ……!
どうしてそれを…
やっぱりみたいだ。
あなた
棚の奥から炎柱手記を見つけたの。
読んでみて分かったけど、私のお父様は炎の呼吸の使い手で、私たちは煉獄家だった。
手記に書かれていた赤い髪、そして赤色の瞳はお父様にも当てはまっていた。

何よりお父様は私がもっと幼い頃、突然いなくなってしまった。

あなた
お父様は鬼狩りに出かけて殺されてしまった。違う?
そこまで…よく調べたわね。


お母様は静かに話し始めた。

そうよ、私たちは元は煉獄家の血筋よ。貴方の祖父は元炎柱。
そして貴方の父も実力のある剣士だった。
でも、ある日の任務に出かけてから帰ってこなかった。
数日後、鬼殺隊から死亡したと通達があった。
とても強い鬼だったそうで、遺体すら、戻ってこなかったわ…。
それで思ったのよ。このままじゃあなたも鬼殺隊になってしまうんじゃないかって…。
煉獄家は女でも幼い頃から剣道をするのが習わしだったから。
このまま、あなたの下の名前までいなくなったら…わたしは…。
だからあなたを連れて煉獄家を出ていった。苗字も変えて、幸いあの人が残してくれた財産があったから。

お願い、あなたは大切な私の子供なの。
あの人みたいに若くして命を落として欲しくないのよ。
お母様は真剣な顔で私を見つめた。

今までお母様の思いを知らなかった。こんなに私のことを思っていてくれたなんて…。



でも、決意は変わらない。


あなた
お母様の思いはわかってる。どれだけ私を大事に思っているのかも、
あなた
でも、やっぱり私は鬼殺隊になりたい。
私が救われたように私も誰かを救えるような人になりたいの。


そう、私を救ってくれたあの人みたいに…。

あなた
初めてできた目標なの!
ずっと分からなかった未来が、霧が晴れたみたいに見えた気がしたの。
私もまっすぐお母様を見つめる。
あなたの下の名前…



沈黙がながれる。

あなたがこんなに意見を言えるようになったなんてね。
分かったわ、あなたの好きにしていい。
少し考えたあと、お母様は言った。
あなた
お母様!!
ただし約束して。
絶対、生きて帰ってくるって。
お母様の顔は微笑みと、少しの寂しさが見えた。
あなた
うん、約束する。
絶対生きて鬼殺隊になって、またここに帰ってくるから。



それから数日で私は家を出た。

お母様が煉獄家に連絡をつけ、私に鬼殺隊の指導をしてくれるよう頼んでくれたらしい。


お母様は悲しさを含んだ笑顔で見送ってくれた。
一旦ここまでです!
これもまたありがちですかね?

ここまで読んでくださりありがとうございます!また次の話で。

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