空が夕焼けに染まり、一行はブレイブアサギ号が不時着した海岸へと向かっていた。
そしてしばらく海沿いを歩けば、少し先でこちらに手を振る仲間たちの姿が見えた。
見渡してみても、誰一人として怪我もしていないようでほっと胸を撫で下ろす。
船が壊されたと聞いた時はどうなるかと思ったけど、
全員無事ならそれ以上望むものはない。
ニャローテの進化には嬉しそうな顔をしたリコだったが、
すぐにその表情は暗くなり俯いて目を伏せる。
隣ではロイもどこか浮かない表情をしている。
……なるほど、それが理由か。
百合奈は少し眉を下げて困ったように笑った。
確かにこの負けは、まだトレーナーになりたての2人には重いものかもしれない。
その言葉に、ハッと目が見開かれるのが分かった。
そう…2人はこれまでたくさんの経験をしてきた。
決して平坦な道のりではなかったけれど、前を向いて力を合わせて乗り越えてきたのだ。
それは間違いなく、2人の…そして彼らの相棒の力になっている。
にこり、空月が笑えば、つられるようにリコとロイも笑みを浮かべる。
そして自身の相棒たちと向き合った。
その姿からは、もう2人は大丈夫だと…そう感じさせる何かがあった。
子供たちはしっかりと前を見据えている。
きっとこれからも冒険は続き…その先には多くの壁が待ち受けているのだろう。
それらを目の前にした時、自分に出来ることは何だろうか。
今のままではきっといられない。
だからこそ考えなければと…百合奈は静かに目を伏せた。
確かにテラスタルを使えるようになって、
それを使いこなせれば戦いの幅は広がるかもしれない。
もっと強くなりたいと思うのなら、テラスタルの習得はなかなか良いアイデアだろう。
フリードは肝心なことを言い忘れる節があるから、
そうは言われても少しばかり心配になってしまう。





















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。