彪太郎「ごめんなぁ、2人で話したいとか言い出しちゃって、」
「んーん、大丈夫」
いつもここで話してるのに、やっぱり何かが違う
なぜかソワソワしちゃうし、うまくこたの顔を見ることが出来ない、
彪太郎「…今日はほんまありがとうな」
「いやいや、無事に琉巧くんと仲直りできたみたいでよかった、」
彪太郎「全部あなたのおかげやで」
「そんなことないって…笑」
お互いに話す内容がなくなって無言の時間が続く
だけど、横から視線を感じる
気になって振り向くと、昼は太陽に照らされていたこたとはまた違い、
夕日に照らされた綺麗な顔をしているこただった
彪太郎「…俺らの出会いってさ、不思議だよな」
彪太郎「琉巧を失って生きる希望を見失った俺を
あなたが慌てて助けてくれてさ、」
「…そんなこともあったね、」
確かにあの頃は焦った
ただただ無心に海の方向に歩いている人が、まさか夏休み中に一目惚れしたこただったから
彪太郎「…あの時も本当にありがとう」
彪太郎「俺、あの時助けてもらわなかったらあなたにも会えへんかったし、斗亜とも琉巧とも話せないままやった、」
「…そんなの私だって、風雅と離れて最悪な気持ちだったよ、」
「…だけどこたと出会って、自分らしさを見つけることができた」
親にダンサーの夢を否定された時に間違いなく
背中を押してくれたのはこた
こたのおかげで諦めない心を持つことや、自分の
意見を持つ大切さを知れた
…それに、初恋も一目惚れも経験できた
「…ありがとう、こた」
彪太郎「ううん、お礼を言うのは俺の方…ありが
とう」
ニコッとこたは微笑んだあと、私をギュッと抱きしめた
あったかい、ずっとこたに包まれてたい
…でも、
「…そういうのは、好きな人にしかしちゃだめだよ、??」
欲張りはいけない、両想いでもなんでもないのに、
そう思った瞬間、
彪太郎「…じゃあやめない、」
「…え、??」
彪太郎「俺、あなたのこと好きやから、」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。