第30話

30.
872
2023/09/11 12:00





北 人 .
北 人 .
先輩…

メールは既読つかないし、電話も出てくれない。
一体どこで何をしてるの?

北 人 .
北 人 .
よし、

僕は一旦家に行ってみることにした。






北 人 .
北 人 .
せんぱーい???いますか?

インターホンを鳴らすが、返事はない。
何も考えずにドアをガチャガチャした。

北 人 .
北 人 .
え…

開いた。
途端に頭は最悪なことのオンパレード。
僕は急いで中に入る。
靴を脱ぐときに転けそうになった。

北 人 .
北 人 .
あなた先輩っ!!!
あなた .
っ、吉野くん…

彼女は地べたに座って泣いていた。
僕は優しく抱き締める。

北 人 .
北 人 .
大丈夫ですよ、もう僕がいますから
あなた .
…っ
北 人 .
北 人 .
ずっと先輩の傍にいます、何があっても
あなた .
吉野くん、
北 人 .
北 人 .
僕、分かってますよ?
北 人 .
北 人 .
先輩はまだ僕のことを好きじゃないってこと
あなた .
え、
北 人 .
北 人 .
好きって言われても、心が満たされなかった理由です…
北 人 .
北 人 .
あなた先輩の心の中にはまだ、きっと佐藤さんがいるんですよね
あなた .
…、
北 人 .
北 人 .
僕を選ばなくてもよかったのに…
北 人 .
北 人 .
今ならまだ間に合いますよ?
あなた .
私は…大樹の所には行けない
北 人 .
北 人 .
なんでなんですか?
北 人 .
北 人 .
ずっと言ってますよね、

好きなら行けばいいのに…

北 人 .
北 人 .
また僕が可哀想とか、思ってるんですか?
あなた .
…違うよ
あなた .
でも確かに、吉野くんには私が必要なんだと思ってる
北 人 .
北 人 .
当たり前です、
あなた .
でもね、私、誰も満足させてあげられない
北 人 .
北 人 .
満足って?
あなた .
気持ち的にも、身体的にも
北 人 .
北 人 .
……

まさかセックスが関係してるの?

あなた .
私ね、人に飽きられることが怖いんだ
北 人 .
北 人 .
え?
あなた .
だからあんなに突き放す言い方や態度をしてたのに…君には効かなかったね
北 人 .
北 人 .
まぁ…逆効果ですかね
あなた .
ふぅ…よし、収まった
あなた .
もう大丈夫だよ、ありがとう
北 人 .
北 人 .
え?いやいや…

話の続きは?
なんで満足させてあげられないのかって、説明はないの?

あなた .
吉野くん、今日は泊まってって
北 人 .
北 人 .
え、でも…
あなた .
いいよ、ちょうど明日休みだし
あなた .
あんなに泊まりたいって言ってたのに、帰るの?
北 人 .
北 人 .
…いや泊まりますけど、
あなた .
ふふ、うん

なんだろう…絶対上手い具合にはぐらかされたよな。



プリ小説オーディオドラマ