オフィスにて。
探していた背中がパソコンとにらめっこをしているのを見つけて、声をかける。
訝しげにこちらを見ていた目が安心しきったように見開かれた。
この人は本当に笑顔が似合うなぁとしみじみ感じる。
誰もいない会議室で向かい合ったその顔に、息を吸って言葉を紡ぐ。
そう言って山本さんはまたにこにこと笑う。
背後に花畑が見えだした気がして、挑戦してみてよかったかもな、なんて早すぎる自己満足をしてしまう。
そんなこんなでよく分からない漢字を時々山本さんに質問したり。
お仕事中だからと話しかけにくかった私を気遣ってくれたのか、途中からは唸る私に山本さんからドリルを覗き込んでくれたり。
会社のデスクで肩をくっつけ、山本さんの漢字エピを聞いて驚き騒ぐ私たちを、背後を通り過ぎるライターさんたちはにこにこして見守ってくれている。
そう言って、山本さんは私の顔を覗き込んで笑った。
この人が、ずっとこうして笑っていられることを願わずにはいられない笑顔。
私の大好きな、太陽のような笑顔。
あなたをそんな風な表情にできるものに、
あなたと同じように出会えたことが
今の私にとっては
きっと、人の心をくすぐるような、
学びの楽しさを呼び寄せるような。
そんな謎は、こういう人が作り出すんだろうな、って。
私もこの先輩みたいな、学びの扉を開けるのが上手な人になりたいと、改めて思った。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!