第36話

夏祭り
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2022/05/17 09:42
2018年7月下旬  夏祭り

















5時頃の商店街近くはいつもより賑わっていた。









今日は夏祭りがあり、商店街から神社までの道は、屋台が沢山あった。





子供の多いこの地区はとても盛り上がっていた。











早見は待ち合わせの時間に少し送れそうになり、小走りで向かっていた。





早見恭子
はぁ、はぁ…。
早見恭子
(間に合うかな…。)




早見は急に疲れ、歩き始めた。







しかし商店街に向かうにつれ、不安になってきた。









早見恭子
(このまま行って、もし、)
早見恭子
(もし、いなかったらどうしよう。)
早見恭子
(岩田君のこと久しぶりに思い出したな。)
早見恭子
(待ち合わせにちょっとトラウマできてるじゃん…。)




そんなことを思っていると、商店街の入り口に着いた。







早見は辺りを見渡す。









すると、玉木らしき人物を見つけた。




しかし、よく見ると男女数人に囲まれ、話しているようだった。






早見恭子
(誰だろう、同い年くらい…。)
早見恭子
(一緒にまわるのかな。)
早見恭子
(約束、忘れてないよね…。)
早見は人の邪魔になら無い場所に移動し、玉木のことを待った。




しばらく時間がたち、人が増えたような気がした。






早見恭子
…。
早見恭子
あれ。



早見はきょろきょろと辺りを見渡した。




玉木の姿が見えなくなっていたのだ。






早見恭子
うそ…。
早見恭子
(本当に忘れちゃった?)
早見恭子
(もしくは、一緒に行く気なんて、無かったのかな。)
早見恭子
(玉木君てよく分からないなぁ…。)




早見はうつむいた。人が沢山行き交うなかで、自分は惨めだと思った。
早見恭子
(ちょっと…、泣きそうかも。)






玉木想汰
玉木想汰
早見さん!



前から急に両肩を掴まれた。
早見恭子
早見恭子
玉木く…ん。




玉木は浴衣だった。



そして、ちょっと動揺した顔をしていた。



早見の顔をまじまじと見つめ、ほっと息をつくと、肩から手を離した。





玉木想汰
玉木想汰
結構前からいた?
早見恭子
ご、5時ぐらいには。
玉木想汰
玉木想汰
そっか、ごめんね。
玉木想汰
玉木想汰
学校の人たちと話してて。
早見恭子
全然。
早見は顔をぶんぶんと振った。




玉木は早見を見つめた。






早見恭子
…?
玉木想汰
玉木想汰
浴衣だね。
早見恭子
…うん。
玉木想汰
玉木想汰
いいね、似合う。
早見恭子
あ、ありがと。



早見は嬉しくなった。


早見恭子
玉木君、浴衣持ってたんだね。
玉木想汰
玉木想汰
そう、岩田の部屋にあってさ。
玉木想汰
玉木想汰
せっかくだから着ていこうと思って。
玉木想汰
玉木想汰
似合う?


玉木はちょっと可愛らしい顔をした。




早見恭子
うん、いい感じ!


早見は笑って答えた。
玉木想汰
玉木想汰
まじ?良かった。
玉木想汰
玉木想汰
あ、何か食べたいのある?
早見恭子
いろいろあるかな。
玉木想汰
玉木想汰
そっか、じゃ、神社のほうまで行ってみよ。

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