3日後 夕方
抗争の件も、あなたの下の名前も
ずっと後悔していた
何も気付けなかったことに、償おうと言葉で表さなかったことを
本当は探したいが、雑務もあるしむやみに出歩けない
あの襲撃以降、暁麻組が少し行動してるくらいで何もない
8時
携帯の通知を見て、そう思った
男子部長が何日も部活を無断欠席してる事やら、あの組長と若頭からの心配のLINE、ましてや何件もの電話
携帯を閉まって、フードを深く被る
目の前の門を飛び越えて、踏まれて出来た道を歩く
玄関の前まで来て、立ち止まる
横側に回って、1つの窓に手を掛ける
物置であり、姉が死体を食べてた場所
姉以外誰も入らないから、鍵すら忘れられてるだろうと思った
桟に両手を掛けて、体を浮かす
中に入り、窓を閉める
もう、濃い血の匂いも、重い空気も、筋肉と神経が千切れる音はしない
ただただ、埃臭くて、月明かりに照らされて宙を舞う埃と何の音もしない静かな空間だった
部屋の扉を静かに開けて、廊下を歩く
耳を澄まして、音がしない事を確認してゆっくり開ける
扉を閉めて、リビングに向かう
微かに音が聞こえる
声かも分からない音が、リビングから
パーカーのポケットからナイフを出して、ゆっくりと取っ手に手を掛ける
もう隠す必要はない、視界に入ってたフードを下ろす












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!