第238話

第二百三十七話
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2025/12/10 08:00 更新
(なまえ)
あなた
……僕たち、戻ってきた……の?


横にいるペムも、
金色の瞳を丸くしてあたりを見回す。

𝐏𝐞𝐦
𝐏𝐞𝐦
どうやら本物だな。未来じゃねぇ……


胸が高鳴る。

懐かしい空気が、肺の奥を震わせる。



そこへ──

𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
……あなた?


聞き覚えのある声が、ゆっくり僕の背中を揺らした。

振り返ると、石壁の影からセバスチャンが歩いてくる。


いつもの制服姿。

いつもの口元の笑み。


亡霊じゃない、生きているセバスチャン。


肌に血の気がある。

光が瞳に映っている。

当たり前のように息をしている。


胸の奥がじんわり熱くなる。

(なまえ)
あなた
……セバスチャン……!



気づけば駆け寄っていた。

セバスチャンの顔が近づく。


彼は驚いたように目を細め、

𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
本当に……戻ってきたんだな


その声は、未来での幻のような静かな声ではない。

確かに響く、生身の声だった。


僕は唇が震えるのを感じながら、
彼の胸元を軽く掴んだ。

(なまえ)
あなた
セバスチャン……君、生きて……る……
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
そりゃ生きてるさ。え、なんの話だ?


──え?



その瞬間、僕とペムはある事を思い出し
同時に固まった。

(なまえ)
あなた
セバスチャン、貴方いつ
アズカバンを出たの?


僕が尋ねると、
セバスチャンは一瞬怪訝な表情を浮かべた。

𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
あなた、何を言ってるんだ?
俺はずっと普通に授業に出てたぞ。
君が……行方不明になってからも
(なまえ)
あなた
僕が……行方不明……?


セバスチャンは苦しそうに笑いながら頷く。

𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
数ヶ月だ。急に姿を消した君を
皆が血眼になって探していたんだ。
……ペムまで一緒にいなくなるから、
本気で心配だったんだぞ


数ヶ月?



僕の身体から力が抜ける。

だって、僕たちは
ハリーたちの時代で“7年”過ごしたのに。

𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
おいおい……大丈夫か?


その温かい手の感触に、胸がぎゅっと絞られた。

そのとき、背後からにぎやかな声がした。

𝐍𝐚𝐭𝐭𝐲
𝐍𝐚𝐭𝐭𝐲
やっぱり本人だわ!
あなた、本当に戻ってきたのね!


ナティが走り寄り、
その後ろからオミニスが静かに微笑む。

𝐎𝐦𝐢𝐧𝐢𝐬
𝐎𝐦𝐢𝐧𝐢𝐬
無事でよかった、あなた
𝐆𝐚𝐫𝐞𝐭𝐡
𝐆𝐚𝐫𝐞𝐭𝐡
おーい!本当に見つかったのか!


ギャレスが笑いながら駆けてきて、

𝐀𝐦𝐢𝐭
𝐀𝐦𝐢𝐭
もう、今までどこ行ってたの!


アミットは半泣きで胸を押さえ、

𝐈𝐦𝐞𝐥𝐝𝐚
𝐈𝐦𝐞𝐥𝐝𝐚
全く、心配かけんじゃないっての!


イメルダが腕を組み、

最後に、ポピーが何かを抱えて走ってくる。

𝐏𝐨𝐩𝐩𝐲
𝐏𝐨𝐩𝐩𝐲
あなた……! あのね……!


彼女の後ろには、
見覚えのある影が四つ。


黒い毛並み、白い耳、丸い形、小さな翼──

ロゼット、コニー、ラッセル、キャルに
瓜二つの魔法生物たち。


僕は息を呑む。

𝐏𝐨𝐩𝐩𝐲
𝐏𝐨𝐩𝐩𝐲
この子たち、急に保護されたの。
あなたがいなくなったすぐ後に……
すごく不思議よね


ポピーが困ったように笑う。


僕の胸がざわざわと揺れる。
未来で別れた仲間たちと“そっくり”な子たち。

でも彼らは僕を知らない。
ただ、じっと僕を見つめている。

𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
𝐒𝐞𝐛𝐚𝐬𝐭𝐢𝐚𝐧
あなた。君がどこへ行って、
何を抱えて帰ってきたのか……
ゆっくりでいい。
話せる時に話してくれれば


僕は喉の奥が熱くなるのを感じた。

(なまえ)
あなた
ただいま、セバスチャン。
……ただいま、みんな


周りから、一斉に歓声が上がった。

その中で、セバスチャンだけは
僕の震える手をそっと握り返してくれた。

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