ーー朝からしとしとと降る雨。
そんな日は、光も音も武器となって私を襲う。
ーーーーーー
〜虫眼鏡side〜
朝、いつもなら先に起きているあなたが
まだ起きてこない。
理由は明確。
"雨が降っているから"
昔から偏頭痛持ちではあったあなただけど、
最近は特にしんどそうで。
「歳を重ねるたびにひどくなってる気がする。笑」
なんて、本人は笑っていたけど、
天気が崩れるたびにツラそうにする彼女を見るのは、
気が気ではなかった…。
ーーーーーー
ーーコンコンッ
刺激にならないように、
なるべく小さな声で、声をかけた。
サッとあなたのそばにいくと、そっと背中をさすった。
ーーサイドテーブルには投げ捨てられた鎮痛剤のゴミ。
少しの間そばで背中をさすっていると、
薬が効いてきたのか、ゆっくり起き上がってきたーー。
その体調で?
光の刺激がしんどいってカーテン閉めてるのに?
無理しないでよ…。
なんて言葉がぐるぐる頭を駆け巡ったが、
きっと彼女はそれでもパソコンを開くのだろう。
そう言うのが精一杯だったーー。
ーーーーーー
心配そうな顔で見つめる彼ーー。
そう答えると、彼は私の頭にポンと触れ、
私の部屋から出て行ったーー。
薬が効いているとはいえ、
身体のだるさや頭痛が完全になくなったわけではない。
このままベッドに潜り込みたい気持ちを抑え、
パソコンのスイッチを入れるーー。
ここから体調がひどくなるかもしれないと思うと、
今のうちに進めておきたい…。
ーーカタカタ…
ーーカタカタ…カタカタ…
どれくらい時間が経っただろうか…
ズシンときた痛みで我にかえるーー。
そう思った時には遅かったーー。
ガタッ…ドタン…
椅子から転がり落ちたところで、意識を手放したーー。
ーーーーーー
目を開けると、大好きな彼の顔が目の前にあった。
そう言った彼の声は少し震えていて、
自分に何があったのかを自覚するのには十分だった。
ベッドにたどり着く前に意識を失ったはずなのに、
今はベッドにいるし、
しっかりと布団もかけられているから…
笑い合ったあと、少しの沈黙が訪れたーー。
先に口を開いたのは、彼。
そう言って私を抱きしめたーー。
私は、たいきの言葉に、申し訳なさが募る。
彼は優しく微笑むと、そっと私の唇に触れたーー。
ーーーーーー
後日、
デートと称して病院に連れて行かれたのは、
また別のお話ーー。
fin.














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!