第4話

【🤎】茶色の場合
73
2025/09/18 08:00 更新

ーー朝からしとしとと降る雨。
そんな日は、光も音も武器となって私を襲う。

ーーーーーー


〜虫眼鏡side〜


朝、いつもなら先に起きているあなたが
まだ起きてこない。

理由は明確。


"雨が降っているから"


虫眼鏡
虫眼鏡
調子、どうだろう…

昔から偏頭痛持ちではあったあなただけど、
最近は特にしんどそうで。


「歳を重ねるたびにひどくなってる気がする。笑」


なんて、本人は笑っていたけど、
天気が崩れるたびにツラそうにする彼女を見るのは、
気が気ではなかった…。
虫眼鏡
虫眼鏡
よし。


ーーーーーー


ーーコンコンッ
虫眼鏡
虫眼鏡
あなた?入るよ。

刺激にならないように、
なるべく小さな声で、声をかけた。
(なまえ)
あなた
んっ…たいき…っい…
虫眼鏡
虫眼鏡
ツラい?

サッとあなたのそばにいくと、そっと背中をさすった。


ーーサイドテーブルには投げ捨てられた鎮痛剤のゴミ。
虫眼鏡
虫眼鏡
薬は飲めたのね。えらいえらい。

少しの間そばで背中をさすっていると、
薬が効いてきたのか、ゆっくり起き上がってきたーー。
虫眼鏡
虫眼鏡
ちょっと落ち着いた?
(なまえ)
あなた
うん。ありがとう、きてくれて。
虫眼鏡
虫眼鏡
心配だったからね。
僕、今日家で編集してるから、
何かあったらすぐに呼んでね。
(なまえ)
あなた
ありがと。
とりあえずちょっと仕事するね。

その体調で?
光の刺激がしんどいってカーテン閉めてるのに?
無理しないでよ…。

なんて言葉がぐるぐる頭を駆け巡ったが、
きっと彼女はそれでもパソコンを開くのだろう。

虫眼鏡
虫眼鏡
しんどくなったらすぐ休むんだよ。

そう言うのが精一杯だったーー。



ーーーーーー


心配そうな顔で見つめる彼ーー。
(なまえ)
あなた
うん、大丈夫だよ。無理はしない。
そう答えると、彼は私の頭にポンと触れ、
私の部屋から出て行ったーー。

(なまえ)
あなた
ふぅ…(あーしんど。)

薬が効いているとはいえ、
身体のだるさや頭痛が完全になくなったわけではない。


このままベッドに潜り込みたい気持ちを抑え、
パソコンのスイッチを入れるーー。
(なまえ)
あなた
(別に急ぎではないんだけど…)

ここから体調がひどくなるかもしれないと思うと、
今のうちに進めておきたい…。
(なまえ)
あなた
よし、やるか。

ーーカタカタ…


ーーカタカタ…カタカタ…

(なまえ)
あなた
ふぅっ……っん…いったっ…

どれくらい時間が経っただろうか…
ズシンときた痛みで我にかえるーー。
(なまえ)
あなた
(薬切れたかな…)あっ…んっ…
(なまえ)
あなた
(これやばいかも…)

そう思った時には遅かったーー。


ガタッ…ドタン…




椅子から転がり落ちたところで、意識を手放したーー。




ーーーーーー


(なまえ)
あなた
…んっ…
虫眼鏡
虫眼鏡
あなた…?

目を開けると、大好きな彼の顔が目の前にあった。

(なまえ)
あなた
あ…たいき…
虫眼鏡
虫眼鏡
馬鹿。焦ったじゃん。

そう言った彼の声は少し震えていて、
自分に何があったのかを自覚するのには十分だった。
(なまえ)
あなた
ごめん…。
たいきが寝かせてくれたの?

ベッドにたどり着く前に意識を失ったはずなのに、
今はベッドにいるし、
しっかりと布団もかけられているから…
虫眼鏡
虫眼鏡
うん。
僕以外だったら怖いでしょ(笑)
(なまえ)
あなた
確かに(笑)


笑い合ったあと、少しの沈黙が訪れたーー。



先に口を開いたのは、彼。

虫眼鏡
虫眼鏡
ねぇあなた?

僕、すっごく怖かったんだよ?
編集してたらすごい音が聞こえてさ、
慌ててあなたの部屋に行ったら
あなたが倒れてて。

何回も名前呼んだのに起きないし。

このまま目を覚まさなかったらって…

ほんとに…無茶しないでよ…
そう言って私を抱きしめたーー。


私は、たいきの言葉に、申し訳なさが募る。
(なまえ)
あなた
…ごめんね?
虫眼鏡
虫眼鏡
やだ。
(なまえ)
あなた
もうっ…
虫眼鏡
虫眼鏡
…今日はもう仕事せずに休むって
約束してくれるなら許す。
(なまえ)
あなた
わかったよ。今日はもうしない。
虫眼鏡
虫眼鏡
…僕のそばにいるのも追加で。
(なまえ)
あなた
ふふっ。
たいき暇しちゃうよ?
虫眼鏡
虫眼鏡
僕がそばにいたいだけだからいい。
(なまえ)
あなた
そっか。ありがとう。
虫眼鏡
虫眼鏡
え?なんでありがとう?
(なまえ)
あなた
隣にいてもらえて幸せだから。


彼は優しく微笑むと、そっと私の唇に触れたーー。


虫眼鏡
虫眼鏡
ずるいよ、あなた。
(なまえ)
あなた
たいきこそ…


ーーーーーー


後日、
デートと称して病院に連れて行かれたのは、
また別のお話ーー。


fin.

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