俺には彼女がいる
今は同棲中で幸せな日々を送っている
今日も仕事帰りで夜が遅いため、彼女の好きなスイーツを買った
喜んでくれるかな
ワクワクした気持ちで玄関を開けた
玄関を開けた瞬間腹部に激痛が走った
痛みで腹に手を当てると生暖かく、濡れていた
暗い玄関で何も見えなかったが俺より小さくて嗅いだことのある匂いがした
俺は衝撃で頭が真っ白になり、その場で跪く
彼女の名前だ
暗かったがだんだん目が慣れて跪いたおかげで顔が見えた
信じられなかった
俺の彼女が愛する彼女が俺を刺した
掠れた声で問いかけた
が彼女は返事をしない
俺は出血量が多すぎてその場で倒れた
意識が朦朧とする中、彼女が立ち去る姿を見た
彼女が玄関から出ていき、俺は1人になった
苦しい、じわじわと死に近づいているのがわかる
俺はこのまま、、、、、、
何がいけなかったのだろうか
毎日、仕事が長引いて早く帰ることが出来なかったことか?
それとも、俺が作る料理は不味かったのか?
俺は彼女に喜んで欲しくて、なるべく家事もして
プロポーズ用の指輪のために仕事も増やし、お金を貯めた
連絡も来たらすぐに返し、早く帰ってきて欲しいと言われたら
いつもより2時間早く家へ帰った
寝る前にはいつも好きを伝えていた
それでも足りなかったのか…俺は一体、彼女に何をしたんだ
分からないまま頭がグルグルと周り、そのまま目を閉じた
目が覚めたら真っ暗な空間にいた
声が聞こえ、振り向くと知らない男がいた
俺がそう口にした瞬間、足元に穴が空いた
落ちた瞬間、、
驚きすぎて体制が崩れたがあいつの正体が見えた
深くフードをかぶり見えなかった顔は何やら面を付けていた
知っている
昔、彼女が勧めていた漫画だ
なんでそれをこいつは知っているんだ?
俺はいつの間にか気を失っていた













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!