街は暗く、いつもの賑わいはどこかへいってしまっている。
もうじき戦争が始まってしまうのだ。食糧は減り、国民は飢餓にみまわれるであろう。
1人の男は高台から港を見下ろしそう呟く。
港町は海岸により閉鎖されており、国から出ることも、国へ入ることもできない。
Δ(デルタ)国と戦争を控えているワイルダー帝国。
そして、彼はΔ国へ陸路で向かう。隣国のため簡単に行けるだろうと言う軽い考えで。
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Δ国
いたも簡単に侵入できてしまう。
それほど、警備が手薄なのか、はたまた彼が海賊だからか……
背後に立たれるまで気づいていなかったようだ。
震える声から動揺が溢れ出ている。
ピストルを突き付け、彼はさらに追い詰める。
ニコリと微笑む。
そっと差し出された十字架のペンダント。
真ん中には水色の宝石が嵌め込まれている。
ギラリと見える光なき瞳。まるで取り憑かれているようだ。
とペンダントをひったくる。
じっと見つめて、険しい表情を見せた。
パンッと乾いた銃声が響き渡る。眉間を一発。
ふと、背後に気配を感じて銃口を向ける。
背後に居た人物…ショッピをみてロイバァは銃を下ろす。
ロイバァは死体をゴソゴソとあさり、何か探している。
それに便乗してショッピも情報を探す
取り出したのは液体が入った小瓶。
ロイバァはニヤリと笑い十字架を見せる。
先程とは違う宝石が嵌められている。
いつのまにか窓を開けて飛び出す準備をしているロイバァ
そう言い風と共に立ち去る。
そんな彼の言葉はロイバァには届かない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。