食堂で会って以降、連絡を取ることも大学でばったり顔を合わせることもなかったミンジュからの急なメッセージ
そしてその内容を確認した私は、さらに心拍数が上がるのを感じた。
「明後日17時までバイトだから、その後でよければ」とメッセージを送ると、
と素早い返信がきた。
***
悶々とした気持ちで過ごしていた日々もあっという間に過ぎ、いよいよミンジュと待ち合わせの日。
いつもは難なくこなしているバイトの作業もおぼつかない。
ユンジンの勘が鋭いのか、はたまた私の行動がよほどおかしいのか。
咲良さんとユンジンに変に思われながらも、私はその時を待った。
咲良さんが指差した方に視線を向けると、そこにはお店からほんの数m離れたところで控えめに私を待つミンジュの姿がたしかにあった。
店内の時計を見れば、17時を5分ほど過ぎた頃
お先に失礼しますと言って店をあとにし、私は外にいるミンジュと合流をした。
すると彼女はコクリと頷いた。
歩き始めたはいいものの、私はどんな会話をすればいいか分からず一人でテンパり、ミンジュはミンジュで俯きがちで。
初めて出会ったときよりもぎこちない雰囲気だった。
なんの会話もないまま、5分くらい歩いただろうか。
そんな中ようやく、ミンジュが口を開いた。
まさか、チェウォンがそんなことを伝えていたなんて、想像もしていなかった。
たしかにその通りだけど、何でわざわざ当時の状況をミンジュに伝えてあげたのか私には見当がつかなかった。
たしかにミンジュの言うとおりだ。
急な用事ができたと変に曖昧な答えを言われるより、ちゃんとチェウォンの相談に乗ってたと言われたほうが、ミンジュも納得できただろうに。
私の配慮が足りていなかった。
その言葉とともに、ミンジュは今日初めて笑顔を見せた。
そう言ってミンジュは私の前に小指を出す。私もつられて小指を出すと、ミンジュは半ば強引に指切りをした。
だけど私はこのときから既に薄々感じていた。
きっと、この約束を守ることは出来ないだろうって。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!