[ 輝る星の決意、煌めいた灰簾石 ]
第二話 頑迷固陋
王城に入ると、天井にはいくつもの星が
散りばめられているシャンデリアに
大きな広間。そして10人ほどの召使が
綺麗に並び「おかえりなさいませ」と
声を揃えた。
せーらにとっては見慣れた光景ではあったが
正直それどころではなかった。
何故なら、「彼」が目の前に
立っているからである。
お互いがそう睨み合っていると
その場の空気を変えるため、
ヴェガが話に割り込んだ。
そう言って各々部屋へと向かおうとしたとき、
ヴェガが足を止め、少し大きめの声で呼んだ。
せーらはヴェガに向かって少し笑うと
そのまま背を向け歩いて行った。
その後ろ姿は凛々しく、自信に満ち溢れており
それはとても「かっこいい」と感じる
背中だった。
それと同時に、
彼も向かうべき場所へと向かって行く。
…本当に大丈夫なのかという心配を、
その場に残して。
Sarah side
連れてこられたのは、よく家族で
相談する時に使われていた部屋。
大広間とは打って変わってさほど
煌びやかではないが、そのシンプルさが
何故かさらに美しさを増している。
部屋には二つの椅子と、円型のテーブルが
置かれていた。
テーブルには何もない。
本当に必要最低限しか考えないな。
茶菓子くらい出すだろ…
そう脳内で愚痴を溢しながら、
用意された椅子へと腰掛ける。
あの母さんが準備…?
まさか俺を捕えようとかじゃないよな…
…でも母さんはそんな事しない
むしろ、俺に比較的協力してくれる。
…後で話したいな。
そのためにも、早く終わらせよう。
その言葉を聞いた瞬間、
せーらは一瞬で立ち上がった。
「もうこいつとは話したくない」、
そう本能が動いてしまったのだろう。
父親は立ち上がり、せーらの目の前に立ち
息を吸ったかと思うと、
一気に言葉を吐き散らかした。
そう言って俺はすぐさま
その場を去った。
部屋を出る前、何か言っていた
気もしなくないが、
別にどうでも良かったから、そのまま
部屋を出て、ヴェガ達の部屋へ
向かおうとした、その時。
見覚えのある女性が1人、
こちらをみて微笑んでいたのだった…



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!