どれくらい外にいただろうか。
ゲーセンに行って獲得数を競ったり、
カフェに行ってまったりしたり、
弟のインスタのストーリー写真を撮ったり……。
気づけば、時間は11時30分。
あと30分で、クリスマスは終わってしまう。
白い息を吐きながら、弟は青い瞳をこちらに向ける。
弟の青色をみると、なんだか寒く感じる。
弟の言う通り、これから何をしようか。
もう遊び尽くしたし、やることは____。
俺はいつの間にか
弟の手を引いてどこかに向かって歩き出していた。
二人の足が止まる。
ここは、東京タワーの下。
オレンジ色に輝くシンボルの下で、俺たちは記念撮影をする。
____残り、15分。
そう答えてしまったけれど、
俺もなぜここに来たのかわかっていない。
東京タワーになんて、特に用事はない。
他の店も東京は閉まっているし、
することもないはずだ。
じゃあ、どうして俺は……。
弟は俺の肩を組むと、
再び写真を撮った。
それもまぁ、悪くないな。
____残り、13分。
自覚してなかったな。
まぁいい。
「なに?」とか「どうしたの?」っていうのはキャラじゃねぇ。
____残り、10分。
今度は手を丸くして、顔ハート。
俺は嫌だったが、弟の無言の圧に圧倒されて同じポーズをする。
シャッターを切る音と同時に、開放された感覚もあった。
____そろそろだ。
俺は今日、あるミッションがある。
それは……「弟にクリスマスが終わる瞬間にプレゼントを渡す」。
まさか5分おきの撮影は想定外だが、逆に利用できる。
____残り7分。
俺はリュックから小さなプレゼント袋を取り出す。
背中に手を回し、時間が来るのを待つ。
一刻一刻、時が流れていく。
それと同時に、俺の鼓動もだんだん早くなっていく。
俺は食い気味に、弟にプレゼントを差し出した。
弟は袋の中をゴソゴソと漁る。
____弟の手に握られていたのは、青色の指輪だった。
俺は服で隠していた手を出し、
弟に向けた。
俺の指には、赤色の指輪がはまっている。
弟はスマホを手に持つと、
リングにハマった青色の宝石をカメラに向ける。
俺も真似して、赤色の宝石を向けた。
____そして、弟は"0時00分"にシャッターを切った。
完結!
Merry christmas♪














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!